初の親子展とゆるりら森のなかまたち展 小樽美術館

 市立小樽美術館(色内1)1階多目的・市民ギャラリー2で、画家・高田稔×イラストレーター・たかたのりこ初の親子展と、ゆるりら森のなかまたちのパネル展とスライド上映会が7月10日(水)に始まった。

 

 父の稔氏(1912~1995)は、宮本三郎に洋画の指導を受け、戦前から東京で活躍した洋画家。北海道に疎開し江別に移住。道展・日展・新制作展に出品を重ね、実力を発揮。1980(昭和55)年から小樽に移住し、小樽の冬や雪をイメージした抽象化した独特の絵画を描く。

 

 今回は、同館収蔵作品の「残雪」と「残り雪」と他1点と、たかた氏所蔵の「バラ」を含む4点、たかた氏の弟所蔵のスケッチブックから、1950(昭和25)年制作の女性のスケッチ画なども展示。

 

 一方、たかた氏は江別市に生れ、札幌北高校卒業後、ソニー株式会社札幌支店やデザイン会社に勤務。住宅情報誌リプランに勤務して独立し「アルビレオ工房」を設立。現在、天狗山の麓に住むイラストレーター。

 

 多目的ギャラリーに、ふうちゃんの日記カレンダー作品、雪の結晶をあしらった犬ぞりレースのポスター原画など25点を展示し、子どもたちの愛らしい表情を捉えた作品をずらりと並べ、幻想的な世界が広がりを魅せている。

 

 同氏は、郵政省ふるさと切手「雪の結晶」「雪だるま」のイラストが採用され大変好評で、制作には妥協を許さず、今にも融けてしまいそうな結晶の繊細さも見事に捉えている。

 

 市民ギャラリー2では、原子修氏著の「しりべし物語」の装画や、同氏の義経伝説を描く絵本「モンゴルの白い馬」(2006年)のお気に入りの挿絵4点を展示。

 

 モンゴル語・中国語・英語で訳されている貴重な本は、絶版となっているという。不思議とすんなり物語が入ってきたという、原子氏の挿絵を5~6冊ほど制作している。

 

 北海道の森に棲む可愛らしい妖精たちをイメージし、2018(平成30)年妖精図譜「ゆるりら森のなかまたち」を出版し、その独自のキャラクターをはじめ、小樽スキー連盟キャラクター「たるちゃん」などのパネル25点も展示。会期中は、スライド上映会も常時放映する予定。

 

 たかた氏は、「地元で父の作品と一緒に展示でき嬉しい。上映会などもあり、ここだけの企画も盛り沢山。ご覧いただければ」と話している。

 

 7月15日(月・祝)13:00~15:00に、カラーリングブック(大人のぬりえ)体験講座を開催。先着10名・材料費1,600円。

 

 朗読付スライド上映会は、7月13日・14日・21日・27日・28日の13:00~15:00。7月20日(土)14:00と17:00に、あなたに伝えたい言葉の匂い-朗読劇「祝婚歌」ほか〜Ml-mosa(ミモサ)〜を開催する予定。

 

 ◎たかたのりこ公式Website(外部)

 ◎関連記事