6月26日(水)から陶芸家・佐藤さがみ氏の個展が、市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリーで開かれ、陶芸家人生の集大成となる実用的な器から壺・動物・オブジェまで、個性溢れる作品約50点を一堂に展示している。
「〜堆積する時間〜」の個展タイトルは、陶芸を始めてキャリア40年を含め、今まで積み重なった時間を意味する。
同氏は、1990(平成2)年富山県富山市で、住泰豊秋氏に師事し陶芸を始め、各美術展に出品。数々の大賞を受賞し個展も積極的に開催してきた。
2010(平成22)年に富山県富山市から小樽に移住し、陶芸家としての活動を続け、2011(平成23)年に全道展で奨励賞、北海道陶芸展で新人賞、道美展で北海道知事賞を受賞し、道展にも入選した。
同館での個展は、2013(平成25)年・2016(平成28)年・2022(令和4)年と、今回2024(令和6)年で4回目となる。
茶の器を作りたければ茶道を学びなさいと言われて茶道も極め、金沢兼六園大茶会作品公募展で連続受賞を果たし、会場にも茶道の道具(香合・炭斗・茶入・建水・菓子器・火入・茶碗)を展示。鑑賞した来場者は、「見事にできている。素晴らしい」と感心していた。
心の中で上を向いて歩こうと、上向きな発想になるよう思いを込めた作品だという、白い角が生えているオブジェを何体も制作し、来場者の注目を集めていた。
焼窯に入り切らないため分解して入れ、持ち運びにはとても苦労しているなどのエピソードも語られた。
コロナ前に制作した作品で道展に出展した「北の大地への憧れ」は、大雪山をイメージし、鹿の角・アイヌの紋様・空と海の色など、北海道が表現されている。
作品には、その時々の心象風景を織り交ぜながら制作しているという佐藤さんは、「ぜひ会場に遊びに来てください。もっと美術館に来て楽しんでもらいたい」と来場を呼びかけた。
〜堆積する時間〜 佐藤さがみ作陶展
6月26日(水)〜30日(日)10:00〜17:00(最終日13:00)
市立小樽美術館(色内1)多目的ギャラリー 入場無料
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