手宮保育所の存続・建替え求め小樽市へ署名提出

 小樽市内にある公立保育所の手宮保育所(梅ヶ枝町3・現在44名利用)は、築49年で市にある5公立保育所で耐震性が未確認の唯一の保育所で、6月6日(木)14:30から、その存続と早期の建替えを求める陳情署名529筆を、同所を守る会・吉川勝彦代表が小樽市子ども未来部へ出向き、安部俊克部長に手渡した。

 

 市は、老朽化が深刻なため2024(令和6)年度に建替えをする計画だったが、「小樽市保育所等の規模・配置に関する方針」を策定し、保育所のあり方を検討する方針に転換。

 

 3月26日に小樽市子ども・子育て会議が提出した「小樽市保育所等の在り方に関する意見書」には、「将来的に手宮保育所を廃止したとしても、民間の保育所で保育需要をカバーできるため、老朽化した保育所を廃止する方向で考えるべきであるが、民営化やコストが安い木造での新築、0歳〜2歳の小規模保育施設の運営なども考えられる」と書かれている。

 

 これを受け5月中旬に、手宮保育所近隣住民や保護者、長年同保育所の側に住み、通所する子どもと家族の様子を見守ってきた吉川氏らが同所を守る会を立ち上げ、5月18日(土)から署名をスタートさせ、賛同する様々な地域の人々から、6月1日(土)現在で、オンライン44筆を含む529筆が集まった。

 

 幸町在住で子どもを同所に預けていた男性は、「少子化が進んでいるが、廃止することでさらに少子化が進む。手宮地区に唯一ある保育所。地域にもいろいろと影響があると思う」と不安を隠せない様子。

 

 吉川代表は、「一昨年クーラーをつけてほしいとの声が市長に届き、半年後にはつけてくれてびっくりした。若い母親もここは大丈夫と思っていたが、まさかの廃止に疑念を持っている。市民の声をぜひ受け入れて。私たちは存続を願っている」と切望した。

 

 安倍部長は、「重く受け止め市長にも伝えるが、市としては保育所を廃止するとは言っていない。地域の環境を守ることは大事。本年度中に方針を立てる予定」と述べた。

 

 この署名活動は7月上旬までは続ける予定で、何か動きがあったら市民への説明会を開くよう合わせて要望した。