1985(昭和60)年7月に小樽市歴史的建造物第4号に指定された旧遠藤又兵衛邸(富岡1立正佼成会小樽教会敷地内)の一般公開が、5月19日(日)から26日(日)まで開催され、この時期だけの貴重な公開とあって、待ちわびた市民や観光客らが訪れていた。
秋田県出身の遠藤又兵衛は、16歳の時に松前商人に奉公したのち独立して行商人となり、静岡県の海産商に認められ番頭となり、小樽に海産物を買い付けに来たのが小樽との始まりで、その後小樽に定住し海産物卸商で富を築き、この建物を、1902(明治35)年に建立し、木材はすべて本州から取り寄せ、釘を一切使わずに3年もの歳月をかけて完成させた。
小樽港を望む富岡町の高台にあり、木造瓦葺き下見坂張りの武家屋敷を思わせる豪壮なつくりで、和風を基調としながらも玄関脇の応接間に大きな三面のベイウインドウを付けた和洋折衷住宅。重厚な門と塀には鷹などの飾り瓦が見られ、全体的に調和のとれた小樽御殿の名で親しまれ、1995(平成7)年には小樽市都市景観賞を受賞している。
公開に合わせ、玄関や縁側の戸が開放され、心地よい風が屋敷中に漂い、縁側や応接間の窓からも、手入れの行き届いた中庭の木々や真っ赤なツツジも鑑賞でき、じっくりと建物の内部を堪能できる。
同教会・佐藤貴士壮年部長は、「昨年は4年ぶりに公開し、期間中約500人が来場した。ぜひこの機会に御覧いただきたい」と来場を呼びかけている。
旧遠藤邸(富岡1-9-4)無料開放 5月19日(日)〜26日(日)10:00〜15:00
問合せ:0134-23-7266 立正佼成会小樽教会
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