小樽天狗桜クローン苗木 里帰り植樹セレモニー

 小樽天狗山スキー場等管理運営協議会(会長:二階堂恭仁中央バス観光開発株式会社代表取締役社長)は、5月10日(金)10:00から山頂天狗山展望台で、天狗桜植樹セレモニーを開催した。

 

 樹齢100年を超え、市内で一番最後に咲くハート型の桜として市民に親しまれている天狗山山頂の天狗桜が、小樽市協力のもと、国立研究開発法人森林研究・整備機構の「林木遺伝子銀行110番」に選定された。

 

 二階堂会長をはじめ、中野弘章同社常務取締役、小樽市産業港湾部・渡部一博部長(同協議会副会長)、同部観光振興室・須藤慶子室長、国立研究開発法人 同研究所林木育種センター北海道育種場(江別市文京台)・門脇大輔育種場長、豊田栄樹木医らが出席

 

 2021(令和3)年に天狗桜の枝を取ってエゾヤマザクラに接ぎ木し、クローン苗木の増殖をを行い程よく成長。葉が出ないよう雪室に入れ植樹に備えた。

 

 今回の植樹祭には6本の苗木が里帰りすることができ、天狗桜の側に3本とリス公園の側に3本を植えた。

 

 二階堂会長は「小樽市の協力を得て、林木遺伝子銀行110番に選定され、2021(令和3)年からクローン苗木を試みていたが、見事に成功した。苗木の育つ環境は大変厳しいが、大事に育て新たなシンボルとして小樽観光に寄与したい」と述べた。

 

 門脇育種場長は、「長く市民に親しまれてきたが、樹勢が弱まり2021(令和3)年に細胞を取り接ぎ木し、センターで管理してきた。本日、順調に育った苗木が里帰りできた。この苗木は天狗桜と同じ遺伝子を持ち、これから地域のシンボルとして皆さんに愛されればと思う」と話した。

 

 豊田樹木医は、「6本の苗木がもちこまれ嬉しい。10数年天狗桜を管理し、桜も徐々に体力的に難しくなり、何とかしようと思って後継樹をと待ち望んでいた。苗木を植えて育てるのも大変だが、しっかりと育ってほしい。本来は葉が出ているはずだが、葉が出ない処置をしてもらった。しっかりと成長してもらいたい」と喜んでいた。

 

 ◎国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所林木育種センター(外部)

 ◎小樽天狗山ロープウェイ/スキー場(外部)

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