小樽市・小樽市医師会・心優会で構成する小樽市看護学校検討協議会(鈴木敏夫会長)は、新たな看護学校の設置に向け、これまで検討を進めてきたが、2月21日(水)開催の同協議会で、新たな看護学校の設置は困難であるとの結論に至り、設置に向けた検討の終了を決定。3月1日(金)に詳細を発表した。
小樽看護専門学校は、1965(昭和40)年7月に、3年過程の正看護師を育成する夜間定時制として開校。
2008(平成20)年に閉校した小樽短期大学(小樽女子短大)の校舎に移転し、看護人材育成のための重要な役割を果たしてきたが、入学生の定員割れが生じるなどを理由に、2020(令和2)年度以降募集中止を決定したが、正看護師を目指す学生にとっては突然の進学先を失うこととなり、著名活動などを実施し、看護学校存続を決定。その後も関係機関との協議が続けられた。
2021(令和3)年2月に第1回協議会(市・医師会・心優会・共育の森の4者)で、ウイングベイ小樽を候補地として、2024(令和6)年度に新設校を開設することで合意。同年6月には、新設校の開設時期を2026(令和8)年度に変更。
2022(令和4)4月には小樽看護専門学校の運営を心優会が継承した。同年7月には、2026(令和8)年4月1日に、心優会は市内に看護師3年過程(4年定時制)の看護専門学校を開設し、小樽市と医師会は、設置・運営に関して連携協力して取り組む覚書を締結。その後も協議を続けてきたが、2024(令和6)年2月21日(水)の協議会で、新設校の開設検討を終了させた。
迫俊哉市長は、「新たな看護学校の設置が実現に至らず、看護学校の設置を待ち望んでいた学生さんや医療機関などの関係者の皆様の御期待に、結果として沿うことができなかったこと、市としても努力してきたが、大変残念なことと受け止めている」と、鈴木会長は、「小樽の地域医療を維持していくためには、看護人材の確保が必要不可欠である。この度の看護学校設置については検討終了となったが、引き続き、看護人材確保に向けた取り組みを進めていく必要があると考えている」とコメントを寄せた。
新築に要する資金が大きく不足、代替地・代替施設がないことを設置が困難である理由として上げている。
今後、本協議会は廃止し、2024(令和6)年度の早い時期に、小樽市看護職員確保対策協議会を設置し、市内に新たな看護学校の開設はなくなったが、看護師を呼び込む・増やす対策の検討に着手するとした。
小樽市医師会看護高等専修学校(富岡1)は、2022(令和4)年度で学生募集を停止し、2023(令和5)年3月末を以って閉校。
小樽看護専門学校(入船4)は、医師会専修学校の令和3・4年度の卒業生を受入れ、2024(令和6)年度の学生募集を停止し、2025(令和7)年度末で閉校する。市内で看護師を養成する学校は小樽市立高等看護学院(緑3)のみとなる。
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