財務省北海道財務局小樽出張所(港町5・加藤則明所長)では、2月22日(木)13:30から、しりべし経済レポ―トvol.110(令和6年2月発行)について記者発表を行い、今回は特別調査として、小樽港へのクルーズ船の寄港についても合わせて発表した。
2023(令和5)年10月~12月期においての総括判断は、「管内経済は持ち直している」と4期連続据え置いた。
各項目の判断では、観光・住宅建設・公共工事・生産・雇用の5項目について持ち直しているため、前回(7月~9月期)の判断を据え置いた。個人消費に関してのみ、物価高の声が聞かれる中、来店客数はコロナ禍に戻ってきているとの声もあり4期ぶりに上方修正。
主要小売店売上高は、価格上昇が続く中、インバウンド回復の影響等から、前年を上回った。新車登録・届出台数では、半導体等の不足の緩和を背景に、受注残の減少や納期の短縮が進み、普通乗用車・小型乗用車ともに前年を上回り、全体でも上回った。
観光に関しては、コロナ対策の緩和や円安により国内客及び海外客が増加し、コロナ禍前の水準に戻ったとの声もあった。
住宅建設に関しては、持ち直しの動きに一服感が見られる。市内の新設住宅着工戸数は、持ち家は資材等の価格高騰に伴う住宅価格の上昇、物価高騰による生活防衛意識の高まりから動きが鈍った。後志管内に一部の地域において、住宅建設は前年並みとの声もあった。
貸家は、資材等の価格高騰から冬季工事費の費用が高いことを理由に、不動産業者が建設を控えて動きが鈍かったと思われ、貸家が前年を下回り、全体でも前年を下回った。
公共工事は前年を上回った。生産は持ち直しつつあるとの判断を据え置いた。
水産加工は、秋鮭の漁獲量減少による原料不足の影響から低調となり、金属・機械は、需要の底硬さから堅調となっている。
プラスチック製品は、業務用食品包装材や土産物用包装材の需要の伸びにより順調であり、ゴム製品は需要の底硬さから堅調となっている。
雇用に関しては、有効求人倍率及び新規求人数が前年をやや下回っている。診療や介護体制を整えることができるようになった医療・福祉関連、インバウンドが増加したことによる宿泊業や道路旅客運送業の求人が増えている。
先行きについては「観光客が回復する間、各種政策の効果もあり、景気が持ち直されることが期待される」と述べた。
小樽港へクルーズ船の寄港~小樽観光・経済を支えることについて、昨年度は、道内で函館に続く2番目に多い隻数で、小樽港に国内外のクルーズ船22隻が寄港。誘致活動・おもてなし活動について調査している。
小樽港は今年開港125年を迎え、クルーズ船の効果は、食事や土産などのショッピング・観光といった直接的な経済効果を生み出し、関連する産業の活動や従業員雇用といった間接的な効果も期待される。交流人口の増加、地域を超えた人とのつながり、地域の繋がりを強化なものにする。
2014(平成26)年から10年間で、のべ189隻が寄港。乗客は約179,000人。小樽市は、2028(令和10)年までに北海道に寄港するクルーズ船の30%の誘致を目指している。
おもてなしとしては、市内高校生が参加して、出迎え見送り・観光案内を実施。物販品の販売、英語の観光パンフレットの配布、クルーズ船停泊港から市内までの路線バスの増便やタクシー配車の協力、クーポン券の発行など。
今後の計画として、クルーズ船の継続寄港や新規開拓を積極的に進め、満足度を高めるため、今後も高校生による観光案内は続け、近隣市町村と連携した受入体制を構築していく。クルーズ船寄港を第3号ふ頭に集約し、利便性をより向上させ、より誘致を図り、おもてなし活動内容を充実させる。
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