小樽市パートナーシップ宣誓制度開始 第1号者に交付

 小樽市(迫俊哉市長)では、LGBTなどの性的マイノリティの人が暮らし易い社会を実現するため、2024(令和6)年1月からパートナーシップ宣誓制度を開始し、1月25日(木)13:00から市役所(花園2)2階市長応接室で、第1号の宣誓者となる自営業の金澤奈々さんと村田あかねさんに宣誓書受領証及び受領カードの交付を行った。

 

 一方または双方が性的マイノリティであり、お互い人生のパートナーとして、日常生活において相互に責任を持って協力し合うことを約束する関係である旨を、パートナーシップ宣誓書として提出し、市長がその関係を承認して宣誓書受領証及び受領カードを交付し、パートナーであることを証明する制度で、婚姻制度とは異なる。

 

 迫市長は、「長い時間がかかったが、ようやく実現でき嬉しく思う。自分らしい生活を謳歌したいと聞き、この制度が、自分らしい生活を送ることができる一助となればと思う。制度を作ることが目的ではなく、こういった考え方を広めることなど、いろいろな役割があると思う。画期的な一歩だが、足りないこともあり、安心して暮らせるようサポ―トしていきたい。第1号は我々にとっても第一歩」と祝福した。

 

 金澤さんは、「人生の中で同じような状況をずっと保持できる人たちばかりではないが、生まれたところで、今の自分たちを受け入れてくれる場所があり、安心して暮らせる場所に小樽が良いと選んでくれる要素が、他の方にもあればと願っている。

 

 このような嬉しい日が訪れたのは、これまで性的マイノリティ当事者に対して、人権に関して示してくれたことに他ならないと思っている。市長・市役所の皆さんに、性的マイノリティ当事者に対して、多大なる応援の気持ちを市政を通してしっかりと形にしてくださったことを、当事者の1人としてお礼を申し上げる。

 

 パートナーシップ宣誓制度の導入は、大変大きな一歩ではあるが、私たちが常に求めているのは人権と平等。今後も引き続き、当事者が偏見と差別により命を落とすことのない社会、パートナーと家族として生きていくことが可能な社会、観光に訪れる世界各国の当事者の皆さんにも、胸を張って迎えることのできる輝かしまち小樽となるよう心から願っている」と気持ちを述べた。

 

 村田さんは、「1つけじめがついた。法的能力はないが、大きな一歩に嬉しく思う。病院で家族として扱ってもらえなかったので安心できた」と話した。

 

 この手続きで住民票の続柄を「縁故者」として登録でき、同一世帯のパートナーに関する税の証明書については委任状なしで交付が受けられ、市営住宅の入居申込や同居の申請、市立病院での入院や手術に関する説明を聞いたり、同意書にサインでき、図書館の利用カードを連携でき、お互いの予約図書を受け取れる。

 

 小樽市では、現在、金澤さんと村田さんの他にもう1組の交付を予定している。

 

 ◎小樽市パートナーシップ宣誓制度(外部)