日本舞踊キャラバン北海道公演 多彩な演目で魅了

 第一線で活躍する日本舞踊家と演奏家が出演する、公益社団法人日本舞踊協会(近藤誠一会長)主催の日本舞踊キャラバンが、8月の山形県天童市民会館を皮切りに、全国11カ所で開催され、11月26日(日)13:00から小樽市民会館(花園5)で、北海道公演が開催された。

 

 同公演では5つの演目が用意され、同協会北海道支部(藤間扇玉支部長)の藤間扇久華氏と藤間扇香樹氏をはじめ、北広島市・厚真町・岩見沢市・当別町から6名が出演。邦楽演奏家14名による生演奏で上演される貴重な機会となった。

 

 藤蔭静千華氏が司会を務め、初めて見る人や日本舞踊に親しんでいる人にも楽しめるよう、演目について解説された。

 

 最初は長唄操り三番叟が行われ、三番叟に藤間直三氏、後見に西川扇左衛門氏で、五穀豊穣など神事の祝福を三番叟の操り人形に扮して踊り、息のあった動きに注目が集まった。

 

 2つ目は長唄水仙丹前で、花柳智寿彦氏が今日のために振付し、北海道メンバーが出演した。

 

 北海道で活躍する舞踊家の若柳吉令氏・藤間扇香樹氏・西川祿満氏・松本錦繁友氏・藤間扇久華氏・西川延菊氏が共演。言葉遊びを取り入れた風雅な曲調で綴られ、男女6人が踊る華やかなステージで、美しさと力強さが観客を魅了。

 

 八百屋の娘お七が恋に狂っていく様を描いた作品・清元幻のお七を、北海道出身の花柳喜衛文華氏が踊り、心情豊なお七を見事に演じた。

 

 最後は、親子の獅子による情愛の舞踊・長唄連獅子狂言師右近と親獅子の精に市山松扇氏、狂言師左近と仔獅子の精に花柳静久郎氏が演じ、前半は、子どもを強く育てるために谷へ落とし這い上がらせる獅子の親子の話で、後半との間に胡蝶の精の愛らしい踊りを、西川申晶氏と若柳薫子氏が踊った。

 

 後半は、獅子の親子の精が勇壮な毛ぶりを披露し、観客から拍手が沸き起こり、3時間に及ぶ日本舞踊を堪能した。

 

 余市から訪れた女性は、「日本舞踊に興味があり楽しめた。毛ぶりは迫力があった。また公演があれば観てみたいと思う」と話した。

 

 ◎日本舞踊キャラバン(外部)

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