自然の景色を鉢の上に! 小樽文化祭盆栽展

 小樽盆栽会が運営する盆栽展が、10月22日(日)まで市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリーで開かれている。

 

 自然の景色を鉢の上に凝縮し、創る・育てる楽しみを味わい奥深い趣味のひとつとして、盆栽愛好家が自由にのびのびと盆栽を楽しむ展示会にと、これまでの公募展は今年から中止となった。

 

 会場には、小樽盆栽会13名のうち9名と、同会が主催する盆栽教室の受講生11名の1年間の集大成を発表する作品とを合わせ31点を展示。

 

 今回は追悼席を設け、昨年亡くなった54代目会長だった故深堀広久さんが、生前育てていたどんぐりの木を展示。これまで一度も実を付けたことが無かったが、今年は沢山の実を付けている様子が鑑賞でき、2022(令和4)年度の市長賞を受賞した「五葉松」も展示されている。

 

 教室で講師を務める同会事務局の毛利昇さんの「津軽りんご」は、貴重なつがるりんごの在来種(原木)で、例年よりも大きめのりんごを実らせている。

 

 会員の作品は長年育てた盆栽が多く、会員の盆栽を愛する思いが作品から滲み出ており、教室の受講生も立派な小品盆栽を出展し、来場者の目を楽しませている。

 

 間瀬迪子さんは教室に入って丸2年が経ち、主木に教材の真柏・下草にみせば・その他梅もどきの小品盆栽点飾りを出展。真柏の針金で形を創るところが難しかったが、タイミング良くみせばやの花が咲き、梅もどきは実をつけた。

 

 間瀬さんは、「これまでやったことがなかったが、2年前の盆栽展を見て始めた。難しいことも多いが、歩いている時も草に目が行き心が豊かになる。今後も続けたい」と話した。

 

 2回目の盆栽展を体験した佐藤智恵子さんは、主木に馬酔木・下草にるこう朝顔・その他に真柏の小品盆栽点飾りを出展し、「用意していた冬越しするいちごを下草にと予定していたがダメになり、庭で見つけたるこう朝顔にして出展。

 

 良く見ると小さな花が育っていて、命を無駄にできないと感じた。気持ちも新たに花を見ていると頑張ろうと意欲が湧いてきた。貧相だったが、先生に苔を入れてもらうと見違えた」と説明した。

 

 盆栽展に持ち込まれた木々の葉も色づき、実もたわわに実り、秋らしい光景が広がっている。

 

 毛利さんが講師を務める盆栽教室はこの作品展で修了。4月〜10月の月1回9:30〜15:30、盆栽について和気あいあいと学び、「ぜひ会場で皆さんの盆栽を見て、教室に入会して一緒に楽しみましょう」と話していた。

 

 盆栽教室は受講料無料・材料費5,000円程度で、現在生徒を募集中。問合せ:080-1971‐3933・FAX:0134‐22‐3933 小樽盆栽事務局。

 

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