なえぼフェスタで愛好家たちの動植物写真・手工芸品展示

 9月14日(木)〜10月15日(日)に、小樽市にある長橋なえぼ公園「森の自然館」で、なえぼを愛する人々の作品展「なえぼフェスタ」が開かれ、初日は多くの出展者が来場していた。

 

 山本謙也指導員が6年前に赴任してから、沢山の人に来てもらおうと企画した写真展をきっかけに、毎年バージョンアップし、今年は写真展に留まらず、自然をモチーフにした絵画やキノコ画、工芸品や丹精込めて育てた盆栽など、力作揃いの作品約200点を集め、なえぼフェスタとしてスタートした。

 

 山本指導員は、「市民へ自然を伝える情報センターとしての役割を果たすべく、企画している。ひとりでも多くの方になえぼに来てもらいたいを実現したい」と話している。

 

 会場には、長年なえぼ公園をこよなく愛し毎日のように訪れ、今年7月に亡くなった大湯崇夫氏が撮影した、豊かな表情を見せるエゾリスの写真を展示紹介している。

 

 同公園のリスたちの愛くるしい姿は、大湯氏にだけが捉える表情も多く、来園者に撮影技術を伝授していた大湯氏のなえぼへの思いが蘇ってくる。

 

 写真展には13名が出品し、様々な作品展には13名。賛助出品として、阿部典英氏の絵画作品、井形弓子氏と袴田睦美氏の日本画作品も鑑賞できる。

 

 大雨・大雪以外はなえぼ公園を訪れている和田紀行氏は、5m先の木に留まっているうぐいす色のやまげらの写真や、ツチアケビの花と果実になってからの写真、見落としてしまいそうな可憐な花のヤブハギの写真などを出展。

 

 苔を森のように見立てたミニチュアや、ヒノキ・スギ・モクレンなどからフクロウなどを彫刻した作品。なえぼで見つけたカブトムシとセミの標本も出展し、「それぞれに感性が違う。何をねらうかで作品も違う」と話した。

 

 大湯氏と交流のあった田中忍氏は、5年前からなえぼを訪れるようになり、3年前からは、仕事が休みの日はほぼ来ているという。鳴き声が美しいコマドリや、人気のシマエナガやエゾリスの撮影にも成功し、見事な表情を写真に収めている。

 

 昨年小樽市展で市展賞を受賞したエゾリスのシルエット写真も展示し、「なえぼフェスタは、個性があって自分の好きなものを追いかけ、それぞれに世界感がある。皆さんの作品から再発見できる」と話していた。

 

 愛(め)でリストと名乗る金子信隆氏は、春になえぼで撮影した「芽出るを愛でる」と題し5枚を出展。フキノトウやオオカメノキなど芽ぶく様子を捉えた。

 

 上の方向を指す矢印のように見える植物のタイトルには、「矢印 上昇志向のヨブスマソウ」と書かれ、「葉巻 愛煙家のオオバユリ」など、どの作品もユニークなタイトルが付けられている。

 

 フェスタ関連事業として、9月17日(日)14:00〜15:00に哲ごろうミニコンサート、9月24日(日)14:00〜15:00に凉北みなミニコンサート。

 

 期間内行事として、9月18日(月)と10月1日(日)11:00から植物スライド上映とミニトーク。どちらも入場無料で申込不要。9月23日(土)10:00から自然観察会、先着20名・申込必要。

 

 ◎小樽市長橋なえぼ公園(外部)

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