8月25日(金)~27日(日)、小樽・札幌・士別・旭川の5・6年生20名と兵庫県在住の5・6年生20名が参加し、日本財団が主催する「海と日本プロジェクト」の一環で、運河と環境保全をテーマに、小樽運河と兵庫運河の歴史と環境を学び運河の未来を探る、ひょうご・おたる運河調査隊2023が、開催された。
同プロジェクトは、人間を支えてくれる海の現状を伝え、海を未来へ繋いでいくためのアクションの輪を、日本全国で広げていくことを目指している。
第1回は兵庫運河を調査し、第2回目は最終章として小樽運河の調査を行い、2つの運河の歴史と役割の違いを把握した上で、水や泥の採取分析などし未来の運河の利活用を考え、海の環境を改善し海辺の街を元気にする方法を探る。
2日目の26日は、小樽運河清掃活動グループCanal Clean Team(カナルクリーンチーム・中澤義範代表)の活動日に合わせ、6:30に西洋美術館駐車場でチームメンバー10人と合流。運河の清掃活動の目的や方法を聞き1班と5班の子ども18名が体験した。
2班〜4班は、北運河から中央橋まで運河散策路のゴミ拾いに精を出した。
2011(平成23)年に発足した同チームは、観光バスから降りた観光客が、一番初めに見る景色がゴミだったので綺麗にしようと始めたのがきっかけで、清掃活動を行って12年目となる。川がゴミを運河まで運び、大雨の時にはフェンスを越えて海まで流れることもあるという。
メンバー2人が胴長靴を履いて川に入り、フェンスに引っかかった落葉などのゴミを袋に入れ、子どもたちが所定の場所まで運んでいた。
タモを使って運河の水面に浮かんでいる缶やペットボトル・たばこ・枯れ葉などのゴミを拾い上げて袋に入れたりと、子どもたちも一生懸命に協力。
兵庫県神戸市の蕨野さん(6年)は、「ゴミは水分を含んでいてとても重かった。汚いから掃除する人は大変だと思う。小樽運河を良く学び、綺麗にしたい。兵庫運河は、ここよりも綺麗だと思う」と話していた。
清掃終了後に中澤代表は、「ゴミを拾ってもらい、観光客も気持ち良く散歩できると思う」と感謝した。
8:30から小樽運河中央橋で、東海大学生物学部の南秀樹学部長教授が監修し、株式会社沿海調査エンジニアリング大塚英治社長、同部海洋生物科学科の大橋正臣教授と野坂裕一講師らが総合講師を務め、運河の水・底質調査・プランクトン採取を行った。
子どもたちは2班に分かれ、採水器をロープで水中に下ろして採水した。水温28℃・塩素濃度30を測定。水中カメラを水面から40cm付近に沈め、その様子をモニターで観察。ウグイが泳いでいるのが確認できた。
運河水深は1m少しあり、10cmずつの塩分濃度と水温をデータ化できる観測装置「CDT」も使用した。中央橋下の運河の散策路では、ネットを曳いて運河の水中にいるプランクトンを採取した。採取した水を透明な容器に入れ、プランクトンを肉眼でも見ることができた。
市立高島小学校の田口さん(6年)は、「たまに魚を見つけたけど、プランクトンがいっぱいいることを初めて知った。小樽に住んでいても知らなかった」と話した。
みなと資料館見学と採取したプランクトンを顕微鏡で観察したり、運河の水の分析などを行った。
3日目の27日(日)は、福島慶介氏による「運河と倉庫の利活用」を聞き、未来の運河の利用方法を考え、学びの成果を拡散する商品開発のワークショップなどをを行い、12:50に閉校式の予定。