8月19日(土)運河プラザ三番庫で、小樽市総合博物館運河館(色内2)トピック展「小樽の四ヶ散米行列-まちゆく歩みに想いをのせて」の関連事業「小樽の四ヶ散米行列と松前神楽」が開催され、四ヶ散米行列の再現と派生元の松前神楽の実演が行われ、約90名の観客を魅了した。
松前神楽は1600年代に松前藩の城内神事として始まり、北海道内各地で伝承されている民族芸能で神に奉納する。2018(平成30)年に国の重要無形民俗文化財に指定されている。
四ヶ散米行列は、松前神楽の演目・四ヶ散米舞が、行列化した民族芸能で、通常は祭りで行い、神輿の前を歩き、進む道を払い清める役割を果たしていた。
小樽では、潮見ヶ岡神社(本間清治宮司)例大祭で30年ほど伝承されてきたが、コロナ禍で4年間中止となり、担い手不足で今年6月の例大祭でも中止となっていた。
四ヶ散米行列を再現しようと、小樽松前神楽保存会や龍宮神社の協力で出演者を募り、年長から中学2年生まで19名が集まって7月1日〜8月17日に9回の稽古を行い、今日の本番に備えてきた。
衣装は、松前神楽と同じで菱形の家紋入りで、木製の刀を振りながら進み、列が2列になるのが特徴的。
子孫繁栄家運隆昌を願う三番叟舞(さんばそうまい)から始まり、天女が扇子と鈴を持って優雅に舞う鈴上舞(すずあげまい)、4人で舞う四ヶ散米舞(しかさごまい)と演目が続き、運河プラザ中庭に出て、四ヶ散米行列(しかさごぎょうれつ)を再現し、同館中庭まで行列を作り移動。
小さな子どもでもできるように、小樽のみの舞が披露され、観客も行列と一緒に移動し、舞を堪能した。
舞の見せ所のひとつに3人組になる場面があり、刀を持ち離れないように輪をつくり、1人が潜る舞いも上手にこなし、練習の成果を発揮して大きな拍手が贈られていた。
最後は獅子舞が披露され、来場者の頭を噛み健康を祈願した。
岡内勇人君(小3)は、「練習は厳しかった。3人で組むところで手を離さないように気を付けた。緊張したが上手に踊ることができた。また参加してみたい」と話していた。
本間宮司は、「北海道には沢山の民俗芸能があるが、生粋の北海道生れで北海道育ちの神楽は、松前神楽だけ。北海道の開拓の祈りを込めて作られた神楽。次の世代を担う子どもたちに伝承し頑張ってもらいたい。今後ともご支援よろしくお願いします」と挨拶した。
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