小樽商科大学(緑3・穴沢眞学長)は、終戦記念日の8月15日(火)11:59から、構内の緑丘戦没者記念塔で慰霊祭を行い、遺族及び一般参列者31名・学生14名・同窓会役員6名・教職員14名が参列し、平和を誓い若くして亡くなった戦没者に祈りを捧げた。
1969(昭和44)年以来続けられてきた慰霊祭は、コロナ禍で3年間は規模の縮小を余儀なくされたが、今年は人数制限を設けずにコロナ前と同様の開催となった。
同記念塔は、今は亡き松尾正路先生の呼びかけで、1969(昭和44)年に完成。戦火に散った347名の氏名が刻まれた墓石と、「戦の野に果つるとも 若き命 この丘にとどまりて 消ゆることなし 友よ 安らかに眠れ」と書かれた碑石が納められている。
緑丘会小樽支部の石川健幹事長が司会を行い、正午を告げるサイレンとともに黙祷を捧げた。
穴沢学長は、「戦争がもたらす悲惨な現実がある。78年を経ても原爆の後遺症に苦しめられている方がいる。様々な形で戦争の傷跡は、未だに我々の身近なところにある。人類の共通の目標である平和は、残念ながらまだ訪れていない。平和を維持することが私たちの使命であり、これからも世界の平和に貢献する人材の育成に注力して参ります」と挨拶した。
続いて、天野友嗣同支部長は、「大学の平和と繁栄があるのは、多くの諸先輩方の尊い犠牲の上に成り立っていることを忘れてはいない。この場所に立たせていただく度に、同窓生によって植樹された木々、白百合香り立つ記念塔の先端が、まるで天への架け橋のようにぽっかりと開いた青空へ伸び、諸先輩の御霊が降臨されて、緑丘全体をお守りいただいているようにいつも感じている。
コロナからも守られ、学生本来の活動も可能となった。世界に目を向ければ、戦争や紛争で未だに命が犠牲になっている現実がある。戦争は二度とあってはならない。我々は世界に向けて平和を強く願い、戦争を無くそうと発信していかなければならない。そうすることが今を生きる私たちと現役の学生たちの使命である」と強く訴えた。
参列者は、順番に記念塔の中に入り白い菊の花を献花した。グリー&カンタール7名が校歌を披露し、参列者も一緒に口ずさんでいた。
学生自治会の池田継代表(2年)は、「戦争で犠牲になった先輩たちの叶わなかった平和を願って参列した」、田中陽菜子代表(1年)は、「普段、戦争に係ることがなく、遠い話に感じていたが、ここへ来て実感できた」とし、2人は機会があればまた出席したいと話していた。
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