幼馴染で小樽出身の陶芸家・𠮷川千香子氏の作品コレクターである、市立小樽美術館協力会・秋野治郎会長のコレクションとともに、7月29日(土)から同館2階企画展示室で、「土と火の遊びー無邪気な(非)器たち」を開催している。
𠮷川氏は、小樽潮陵高校卒業まで小樽で暮らし、武蔵野美術大学で彫刻を学ぶ。1974(昭和49)年愛知県常滑市に移り、1978(昭和53)年に初個展を開催。40年以上作陶活動を続け、国内外で活躍。
3年前からこつこつと企画し、故郷小樽で初開催となる特別展の会場には、同氏の常滑のアトリエから自選したものと、秋野コレクションとともに約150点が工夫を施して展示され、𠮷川ワールドが広がっている。
秋野氏が収集した年代物の石炭ストーブをテーブルの脚に、テーブルには骨董品の扉を使い、同氏の作品の人物大のユニークなオブジェ3体が椅子に座り、皿やカップなどがテーブルセッティングされ、来場者が椅子に座ると、一家団欒の特別な体験ができる小樽ならではの展示。
天井には、陶器とイギリスのアンティークガラスを飾ったランプシェードの作品も点灯し、壁には掛け時計が飾られ、日用品の作品も楽しめる。
展示物の中には、昔の土壁をイメージし土を使って絵のように仕立てたオブジェが並んでいる。
主題は、日々の暮らしの中で命あるものを見つめるところから生み出された「ひと、動物、花」で、あらゆる生き物たちの姿に興味を抱き、愛情深く寄り添う中で、優しく素朴なフォルムが生まれ、ユーモラスで独特な存在感を持った造形は、国内外の多くの人々を魅了している。
秋野氏は、「干支をモチーフにした置物もあり、モダンさの中に日本古来の四季を大切にしている」と話し、𠮷川氏は、「焼き物の幅は沢山あり、楽しめることがいっぱいある。覗き込めるよう展示にも工夫している。ぜひ会場でご覧いただきたい」と来場を呼びかけた。
関連イベントとして、夏休みの小学生を対象にしたワークショップを、8月5日(土)10:00~13:00で開催。𠮷川師と親交が深い、ニューヨーク州立大学・長澤伸穂教授が講師を務め、動物の謝肉祭の音楽を聞きながら、空想の動物を描き、完成品は同展覧会会場に展示する。参加費無料。受講希望者は、0134-34-0035 市立美術館・星田まで。