今は亡き書道家の宇野静山氏が1940(昭和15)年10月に創設した、臥龍社の作品展「臥龍社書展」が、7月26日(水)〜30日(日)に市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリーで開かれ、30回目の節目を迎えた。
同氏は、1948(昭和23)年に全道書道展を立ち上げ、小樽を拠点に道の書道の発展に尽力し、自ら「僕のふるさとは小樽」と生涯を全うし、2010(平成22)年103歳で亡くなった。
前回の第29回目は昨年12月に開催され、これまで隔年開催としていたが、展示会場の空き状況の関係で初めて翌年の夏開催となった。
会場には書道作品がずらりと並び、次男で同社の宇野雉洞代表と三女で吹田由紀子事務局長を含めた会員25名の釈分25点と、静山氏と宇野渓雪氏の作品も1点ずつ特別展示。
吹田事務局長は、「雲は、水がもととなり、水は地球で大切なもの。命が生まれ、人も水の恩恵に預かり、全生命をつかさどっている。架空の龍は、想像で生まれたもので、良い事をもたらせてくれ、縁起を運ぶもので、流れゆく雲と力強く勇ましい龍の動きを意味し、書の筆使いが素晴らしく、筆跡がいきいきとしている様子」を例える四字熟語の「游雲驚龍」を出展。
初日の26日(水)は、宇野代表も吹田事務局長も在廊し来場者に対応していた。
宇野代表は、「生き方やそれぞれ持っている精一杯の良さを出して書を学んでいこうと、東京・赤平・旭川などの会員の作品が集まった。
初めて見る人にとっては、1度きりの動きで文字ができ、継ぎ足したりはできない。生きていくことも、今日の自分には戻れない。失敗したと考えなくても良い。筆が思うようにいかない時は、どうやって自分らしく生きていけば良いか、筆順に沿って書き、書を知らない人も、文字の滲み具合やかすれ具合を作品から感じてください」と話した。
30回展臥龍社書展
7月26日(水)〜30日(日)10:00〜17:00(最終日16:00)
市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリー 入場無料
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