小樽高島小5年生ふるさと学習 知産志食を学ぶ

 小樽市立高島小学校(高島5・篠崎大作校長)では、6月20日(火)2時間目〜4時間目を活用して、5年生36名を対象に「高島小 知産志食〜高島・祝津の海の幸、そして和食を学ぼう」を開催した。

 

 地元の鮨と季節料理の店「に志づ可」の西塚周平さんと、同校卒業生で、現在PTA会長でもある小樽市漁業協同組合理事の成田学さんが講師となり、それぞれの仕事について語り、地元で獲れたウニを出汁ゼリーにのせて食べたり、後志の食材を使った炊き込みご飯をみんなで調理して食べ、地元ならではの貴重な体験をした。

 

 2人が直接学校とやり取りを行い、ふるさと学習が実現した。成田さんが漁に出て獲った旬のウニやタコ、祝津の知人から譲ってもらったホタテの稚貝を、和食料理人の西塚さんが、ルスツのアスパラ・ズッキーニ・ジャガイモのレットムーン・赤井川の米など、後志産の食材を現地で調達して持参し、技術を活かして提供した。

 

 天気が良くても漁に出られないのはなぜ?との質問に成田さんは、「波があると出られない。特にウニ漁は浅瀬のため漁を中止に。雨でも風がなかったら漁に出る」と話した。

 

 カレイ漁の時に雷に遭遇したこと、漁に夢中になり波が高くなったことに気付くのが遅くなり、20分で来たところ、波をよけながら帰りは3時間もかかり、生きた心地がしなかった怖い体験を語った。

 

 ウニ漁は、殻を割り中身を取り出し並べるという手間がかかり、多い時でも100パック。30年でやっとベテランの域に達したと感じたという。

 

 一方、西塚さんは、「美味しいのは当たり前のことで、それにプラスして良い時間を過ごせたと言われたり、すごく喜んでもらえると嬉しい。本州からわざわざ来てくれ、料理を通してコミュニケーションが深まり、幸せを感じる時」と話した。

 

 西塚さんがあらかじめ用意した出汁で作ったゼリーに、トマトやラディッシュ・スティックセニョール・ウニをトッピングして醤油タレをかけて食べた。ウニを食べたことのない児童も多く、地元の旬の食材をみんなで楽しく味わった。

 

 2品目は、後志の食材でつくった炊き込みごはん・後飯(しりめし)で、炊飯の火加減の説明を受け、用意された野菜を刻み、殻ごとホタテの稚貝とタコを鍋に入れて炊いた。

 

 参加した女子児童は、「野菜を切ったり楽しい。雷が落ちた話が怖かった。炊き込みご飯を鍋で炊のは初めて」と話し、男子児童は、「ウニはお父さんが食べていたが、自分は初めて食べた。ウニは、死にそうなほど苦労をして、獲ってきてくれたことが分かった」と様々なことを学んだようだった。

 

 ◎小樽市立高島小学校(外部)