小樽市(迫俊哉市長)は、6月13日(火)13:00から市役所(花園2)2階市長応接室で、臨時記者会見を開き、東京の大手商社・双日株式会社が計画する小樽余市風力発電所の建設について、北海道知事宛てに、本事業計画を是認する事はできない旨の意見書を提出し、建設反対の意思を明らかにした。
小樽・余市・毛無山などを含む国有林に、事業実施区域約859.3haのうち、風車の建設や管理道路による改変面積は約44.6haに26基の風車を建設するため、2024(令和)年に着工し、2029(令和11)年に運転開始する計画だった。
今年2023(令和5)年、同社からこの事業計画に係る環境影響評価準備書が示され、北海道知事からは、6月16日(金)を期限として、準備書に関する環境保全の見地から同市の意見を求められていた。
この計画に対して住民からは不安や建設反対の声が増え、2021(令和3)年12月には、本事業計画の中止・撤回を求める7千筆(うち小樽市民約3千筆)以上の署名が市に提出された。
これまで、迫市長は2回の現地視察を行い、塩谷丸山からニセコ方面を見た時に、視界が寸断されるのを実感し、自然遊歩道に風車が立つと圧迫感があり、遊歩道の影響は大きいと感じた。
市としては、2021(令和3)年5月に「ゼロカーボンシティ小樽」を表明し、2050(令和32)年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指していたが、自然環境や景観の影響に強い懸念を抱き、生態系への影響・土砂災害の懸念・景観上の影響・自然遊歩道への影響を考え、「市民の総意として本事業計画を是認することはできない」と、市としての明確な意見を示すこととした。
当初27基を予定していたが、準備書段階で、同社から塩谷丸山から羊蹄山を視認できる範囲に予定していた1基を取りやめ、6月5日付で、塩谷丸山から遠藤山に向かう稜線上に設置を予定していた3基も取りやめる旨の提案があったが、毛無山から遠藤山、さらに於古発山にかけての稜線上に設置予定の風車による景観上の影響があり、自然遊歩道周辺には、依然6基の設置が予定され、土砂災害への懸念もあり、地域住民の不安を消すことには至らないと考え、市民生活や環境を守ることは大きいとした。
質疑応答の中で、「港湾区域での風力発電は、推進していく立場。一般海域での洋上風力も否定するものではない。近隣町村や漁協組合との協議し、可能であれば洋上風力については推進していきながら、ゼロカーボンシティの実現に取り組んでいきたい。すべての再生可能エネルギーに反対することではない」とした。
また、事業が縮小すれば受付ないわけではなく、対応を考えたいとした。
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