第12回和を遊ぶ 小樽市民会館で伝統文化共演

 

 

 開館60年周年を迎えた小樽市民会館(花園5)と小樽伝統文化の会(藤間扇玉会長)は、6月11日(日)、コロナ禍で中止となっていた「和を遊ぶ」を同館大ホールで盛大に行い、友人同士や夫婦など約800名が来場して4年ぶりに小樽に根付く伝統文化を楽しんだ。

 

 ステージでは、日本詩吟学院小樽しりべし岳風会(佐藤岳毖小樽支部長)、正派邦楽会「雅貴代会」(明正雅紫盈会主)、藤間流扇玉会(藤間扇玉会主)の3団体が中心となって14の演目で開かれ、各会場では、出店販売や書道展、撮影スポットやお休み処、詩吟・能楽体験や能舞台の見学なども合わせて行われた。

 

 どのプログラムも出演者のこれまでの集大成を発揮。雅貴代会による箏曲「黒田節による幻想曲」で開幕を飾り、三曲合奏曲「竹紫絃明」で、都山流尺八楽会竹林軒大師範の難波竹山氏の尺八と、三絃と箏が合奏した。

 

 第7回から始まった「小樽の選ばれし殿の方による日本舞踊」も第5弾目となり、おたる政寿司の中村全博取締役会長をはじめ7名が、忙しい中、厳しい稽古を13回も行い、「木遺りくずし」「奴さん」「深川」「かっぽれ」を披露。扇玉会メンバーが華を添え、大きな拍手が贈られていた。

 

 同岳風会による扇と剣で舞う金剛山、相蘇錦栄氏が津軽じょんがら節の変遷について詳しく解説し、小樽後志民謡連合会の津軽三味線と演奏を披露した。

 

 本公演の目玉となる舞台企画作品は小樽を題材に創作。今回は、三曲・詩吟・日本舞踊・俳句による「おたる四季彩々」を上演した。

 

 曲は、平川萩寿恒氏の直門の山田流箏曲萩岡派宗家・四代萩岡松韻氏が小樽を訪れ、天狗山に登り遊覧船に揺られて感動した小樽を題材に作曲、作詞はかずはじめ氏、振付は藤間琇豊氏、演出は藤間扇玉氏、構成・脚本は藤間扇久華氏が務めた。箏の演奏をしながら、平川萩寿恒氏が長時間に渡り唄も披露。

 

 舞台では、小樽の四季を表現した唄に合わせて舞踊が披露され、四季折々の場面を展開。小樽に根付く日本文化の素晴らしさを改めて感じる日となり、出演者一同がステージに登壇すると。観客から拍手喝采を浴び、第12回和を遊ぶは大成功のもと終演した。

 

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