幕末に蝦夷地を探検した松浦武四郎が船で小樽沖を航行中に見た、遠方の船や島などの対象物が大きく見える上位蜃気楼「高島おばけ」が、5月17日(水)16:30頃、観測された。
南から暖かい空気が流れ込んだ影響で道内各地で気温が上昇し、小樽では17日11:01に最高気温20.2℃を観測。17:00頃まで18℃前後の気温で経過。気温・海水温や風向きなど、蜃気楼が発生する条件が整ったと思われる。
16:30頃、おたる水族館(祝津3)から見た石狩湾新港のタンク群が、肉眼でも伸びているように見え、持っていたカメラで撮影し、その後、高島海岸へ移動。そこでもタンク群が伸びているを確認しカメラに捉えた。
蜃気楼を長年研究する小樽市総合博物館の大鐘卓哉学芸員に写真を見てもらったところ、「対岸のタンク群が伸びているだけではなくて、水平線の上方反転像が見られることから、大規模蜃気楼が出現したと思われる」との判断を得た。
上位蜃気楼が発生する期間は4月〜7月を見込み、昨年は、4月5日に大鐘学芸員により、観測を始めて最も早い初観測に成功している。
蜃気楼愛好家にとっては、これから7月まで蜃気楼の出現が気になる日が続く。
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