小樽運河100年第2弾「沈黙の風景 by 木嶋良治」開催

 市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリーで、4月26日(水)〜5月14日(日)、小樽運河100年を記念した第2弾「沈黙の風景 木嶋良治 運河を描き続けて」を開催している。

 

 小樽出身の木嶋氏は、故郷小樽を中心に「北方性」と「雪」をテーマに描き続けている画家で、1970(昭和45)年代からは小樽運河がライフワークとなった。道内高校で美術教育に務め、個展開催や道展出品など精力的に発表活動を展開。簡潔な構成と詩のような叙情性を合わせ持った独特の風景画を確立し、同氏の世界を紹介している。

 

 昨年同氏が小樽市に寄贈した、全力を尽くした大切な作品10点と収蔵品3点(1977年〜2012年)の計13点が展示され、北海製罐の建物や第3倉庫を描いた作品は7点にも及び、100号サイズの大作9点が並び、会場いっぱいに木嶋氏が描く運河に圧倒される。

 

 季節は冬が多く、1986(昭和61)年制作「冬の日」は、浅草橋から見える渋沢倉庫を入れた運河の風景で、展示作品の中で「冬の日」のタイトルは6点もあり、1993(平成5)年制作「冬の日」は、北運河を描いた作品で、左手には倉庫群が右手には北海製罐、その中央には北浜橋が描かれている。

 

 2005(平成17)年制作の「建物」は、第3倉庫の一部分を切り取り、運河の水面に映る影が鏡に映ったように美しく見え、画用紙の半分以上を影が占め、水面は自身の心の内側を表す鏡でもあり、時々の心模様が反映されていたと言い、空と水面が独特なブルーに彩られ、運河をより一層魅力的に仕上げている。

 

 星田七重学芸員は、「建物と影がポイントとなり、水平と垂直の線で画面を作り、詩情をおびた独特の風景。この機会に、多くの方に会場に足を運んでいただきたい」と話している。

 

 沈黙の風景-木嶋良治 運河を描き続けて

 4月26日(水)〜5月14日(日)10:00〜17:00(最終日16:00)

 市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリー 観覧無料

 月曜日・5月2日・9日・10日・11日休館

 

 ◎市民ギャラリー企画展「小樽運河100年 沈黙の風景ー木嶋良治 運河を描き続けて」(外部)