小樽市総合博物館本館(手宮1)では、2階企画展示室と常設の科学展示室で、「放課後の寄り道 小樽市青少年科学技術館の60年」と題し、企画展を4月22日(土)から7月17日(月)まで開催し、1963(昭和38)年の開館当初から現在の同博物館も含めた60年のあゆみを、貴重な資料と写真で振り返る。
1963(昭和38)年8月2日に、道内3番目の科学館として小樽市青少年科学技術館が開館。体験型の展示やプラネタリウムなど、手作り感溢れる館内は子どもたちが友だち同士で気軽に立ち寄れる楽しい居場所として、遊びの中から科学に興味をもってもらいたいと、学芸員が手作りで催し物を企画し、子どもから大人までが楽しめる場所だった。
2006(平成18)年12月28日に閉館し、2007(平成19)年7月14日に、小樽市総合博物館が引き継ぎ、今年で60年となる。
入口には、科学館の案内ロボット「コロット」が17年ぶりに復活。ドーム型の天文台がある建物の写真からは、懐かしさが込み上げ思い出が蘇る。
1988(昭和63)年の第1回宇宙新時代から、2005(平成17)年の第18回まで、様々な科学をテーマに体験型の特別展が年1回開催され、多くの来場者を引き寄せた当時の様子を写真で紹介している。
宇宙新時代では、生活に身近なものとなってきた宇宙技術や宇宙利用について分かりやすく紹介し、スぺ—スシャトルの模型や無重力体験などを実施した。
第4回特別展のワクワクセンサーたんけん館の「地雷原」や「センサージャングル」は、子どもたちに人気があったことから常設展示とした。
第11回特別展のおもちゃからくりランドは、おもちゃのしくみを科学的にとらえ、使用されているからくりを紹介し、仕組みを体験できた。
また、開館時から発足され、市内小中学生を対象とした科学教育の一環としてのジュニアクラブは、閉館までのべ1万8千人が受講し、実験や工作を行い同受講生が活動する場として、科学文化祭を開催した。
1983(昭和58)年開催の第1回目は、サイダー作りや電気パン作り、クイズラリーなども行った。この他、ジュニアクラブの会員証やバッチ、文化祭やジュニアクラブ受講生募集のチラシなども展示している。
人気のスポットのひとつ・プラネタリウムも科学館では、実物の初代プラネタリウム投影機を展示し、1997(平成9)年〜2005(平成17)年のオリジナル番組一覧表や懐かしのプラネタリウム番組も上映し、プラネタリウム室の横にあった当時の黄道12星座も再現した。
日本の科学館で初のアマチュア無線局もでき、小樽市青少年科学技術館アマチュア無線クラブで活動。コールサインは「JA8YAA」で、北海道で最初に開設されたことを意味する「AA」を表している。当時使用していた無線機等を展示し、現在は、小樽アマチュア無線クラブとして活動している。
体験コーナーでは、特別展やイベントで使用した展示品で遊ぶことができた。ビービー玉とくぎで作った雨の音が楽しめるレインスティックや空き缶で作った楽器・知恵の輪など、子どもから大人まで自由に遊んでいた。
企画展担当の鈴木博子学芸員は、「幅広い世代が科学館に親しみ、多くの人が企画展を懐かしく思う。いろいろな物を手作りしていたり、手に触れて遊べるものがあり、遊びの中から科学に興味を持ってもらおうと、身近に体験できることが特色だった。子どもから大人まで楽しめる企画展に遊びに来てください」と話した。
関連事業として、ラムネ作りやロボットアイボの実演などを予定している。
放課後の寄り道 小樽市青少年科学技術館の60年の歩み
4月22日(土)〜7月17日(月)9:30〜17:00(最終入館16:30)・火曜定休
小樽市総合博物館(手宮1)本館2階企画展示室・科学展示室
入館料:一般400円、高校生・市内在住70歳以上200円、中学生以下無料