小樽市(迫俊哉市長)が、2020(令和2)年11月から2021(令和3)の1年をかけて制作した小樽観光誘致プロモーションビデオが、2023(令和5)年開催の第5回日本国際映像祭(JWTFF)において3つの賞を受賞し、3月29日(水)16:30から市役所(花園2)2階市長応接室で、動画制作に携わった福島慶介N合同会社代表(建築家・クリエイティブディレクター)と映像ディレクターの伊藤広大氏(ジオグラムス株式会社)が出席し、報告会が開かれた。
2019(平成31)年に1回目が開催されたJWTFFは、今回5回目となるアジア唯一の構成映像祭で、2020(令和2)年には、国連世界観光機関(UNWTO)が認定する国際観光映像ネットワーク(CIFFT)の正式加盟映画祭となり、今回の受賞は国際的にも注目される作品となり、今後さらに注目が集まる。
動画は「青の街 OUR STORIES:from OTARU (4分40秒)で、国内部門のシティプロモーションカテゴリーで最優秀賞、国内応募全ての映像の中で準グランプリ、国際部門ツーリズムディスネーションシティカテゴリーで銀賞と、3つの賞を受賞した。
動画制作には、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用され、小樽の四季折々の自然景観や歴史的な街並み、食と酒の魅力および北しりべし地域の観光資源を映像で表現し、広く観光誘致プロモーションビデオとして、小樽への訪問意欲・再訪意欲を喚起することを目的とした。
ビデオ制作業務を公募型プロポーザル方式で募り、すぐれた企画提案者のN合同会社が選ばれた。共通の知り合いを通じて、日本で初の空撮でグランプリを受賞している伊藤氏とチームを組み、動画制作に取り組んだ。
迫市長は、「組合長が出てきたり、観光プロモーションビデオのイメージとは違い、全体的にソフトな感じで良かった。同時に3つの賞を受賞され、沢山の人に観てもらいたい。観光だけではなく住みたいと思ってもらえれば」と期待した。
8編で構成されたこのビデオは、「小樽編」と「北しりべし編」の2本を映画祭に提出。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、堺町通りに人がいなかったり、店が閉まったままだったり、イベントも潮まつりも雪あかりの路もなく、取材できない状態が続き、制作に苦労した。
観光の映像は、今までも沢山あり、今ではトレンドではないし、海外の人は、小樽の良い風景ではなく、旅を通じて成長へ変化させるコンテンツとなる人や文化の出会いを求めているという。
タイトル“青の街”は、鰊や北前船など海との関係性が強く、ドキュメンタリータッチで、海に纏わる3名のリアルな日常の過ごし方を撮影している。
福島氏は、「16年ぶりの更新となるとのことで、この先10年使えるものとして、観光の一歩先を表現した、小樽のリアルな魅力を発信する方が長く使える。ライフスタイルにいいなと移住してほしい期待も含めて作成した。
市内で同じような仕事をしている人にも感化され、学んでくれればと思う。世界に直結できる子を小樽から生み出したい。今後は、ワークショップを通じて、若い人にも良い影響を与えていきたい」と話した。
伊藤氏は、「この映像は、事業者や市民にどう受け止められるのかを意識した。観光地の映像が多い中、人に焦点を充てた違った切り口で、日本国内よりも海外の方に、日本の文化を見に来るコンテンツにしたところを評価された。市民もこの映像を見て、自分のまちを見つめ直すきかっけになれば」と話した。
◎観光プロモーションビデオ「OUR STORIES:from OTARU」(外部)