小樽市議会第1回定例会会派代表質問2日目が、2月28日(火)13:00から、市役所(花園2)議場で開かれた。
共産党・川畑正美議員は、3期務めた議員として最後の質問に立ち、第3号ふ頭及び周辺の再開発事業や陸上風力発電所建設等について質問した。
2023(令和5)年度以降の13万トン級以上のクルーズ船寄港の予定に関して、迫俊哉市長は、「現在、具体的な寄港予約を受けてはいないが、各外国船社が運航している船舶の大型化が進み、2013(平成25)年度以降、北海道への寄港も増加する中、小樽港へも複数の船社から寄港したい旨の要望を受けている。
17番岸壁を早急に整備する必要性については、この岸壁整備は16番岸壁と併せて、これまで6万トン級のクルーズ船までしか対応できなかったが、老朽化対策を兼ね13万トン級まで対応可能とするもので、船社から早期整備が求められている。
今後、コロナ禍の収束により、大型船の寄港の打診も増えてくることが見込まれ、この度の補正を活用して事業促進する」と答弁した。
再開発事業は、将来を見据えたまちづくりとして、さらなるクルーズ船寄港増加を図り、港観光の拠点として賑わいを創出し、小樽観光の課題の滞在型観光促進に繋げるもので、地域活性化にとって重要な事業のひとつとしている。
北海道小樽・余市風力発電所建設に伴う対応については、現在、健康アセスメントの準備書の縦覧の段階で、住民の声を届ける最後の段階となり、迫市長の見解にも注目が集まる。
迫市長は、住民説明会等で低周波音による健康被害、自然環境や景観への影響を懸念する声や、第4回定例会で採択された陳情を受け、本年1月、事業者に対して住民等の理解を得るよう文書による依頼をした。今後は、これまでの意見や環境影響評価の結果等を踏まえ、慎重に判断したいとした。
さらに計画されている風力発電についても、各事業者が環境影響評価法に基づき、手続きを行うことから、事業者が実施する環境影響評価の結果や住民の意見等を踏まえ、計画毎に判断していきたいとした。
公明党・高橋克幸議員も6期最後の会派代表質問に立ち、最重要課題となる人口減少問題について質問。
人口減少の現状及び推計と今後の対策については、国立社会保障・人口問題研究所の人口推計は、市において年間2千人程度の人口減少が続き、さらに少子高齢化が進行し、生産年齢人口が減少。2045(令和27)年には老年人口が生産年齢人口を上回り、高齢者比率が52.1%になるなど、市にとって厳しい推計が示されているとの認識。
高齢化率が高く子どもを産み育てる人口が少ないのが大きな要因だとして、同年には、若年女性に限らず、20歳から39歳までの人口推計が、2015(平成27)年と比べ、約64%減少することは大きな課題と考え、子育て世代の移住・定住の促進とともに、妊娠期から子育て期までの切れ目のない子育て支援体制の充実や、公園や教育環境の整備・子育て世代の人口対策の充実にスピード感を持って進めたいとした。
子ども医療費助成制度の充実については、国で統一的な制度となっているのではなく、市町村ごとに制度が異なるのが現状で、市の子ども医療費助成制度の現状について、通院と入院の制度内容について質問した。
市は、小学生以下に対して、通院・入院ともに自己負担を初診時一部負担金のみとし、実質無償化を実現している。中学生は通院への助成はないが、入院への助成を実施し、非課税世帯の自己負担を初診時一部負担金のみとし、課税世帯は自己負担を1割としている。
子ども医療費の援助について国の調査結果に対する見解は、すべての都道府県及び市町村が、乳幼児等に係る医療費を援助しており、対象年齢や所得制限など自己負担の有無など、自治体により内容が異なる。やはり、すべての子どもが平等に医療給付を受けられるよう、国による全国一律の助成制度の創設が望ましいと考える。
子ども医療費を無償化にした事業費の試算では、中学生までの通院と入院に係る事業費を年間ベースで示すと、実質無償化した場合、通院3,900万円・入院200万円。完全無償化にした場合、通院は5,400万円・入院230万円になると試算した。
子ども医療費助成の段階的な拡充実施については、他都市の動向を踏まえ、子育て世帯の家計負担の軽減のために、着実に拡充を進める必要があり、庁内で議論を重ねながら、2024(令和6)年度以降に実施に向けて準備を進めたいとした。
3月1日(水)は、松田優子議員・松岩一樹議員・高野さくら議員・林下孤芳議員・小貫元議員による一般質問を予定している。
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