小樽市総合博物館本館(手宮1)で開催中の2022(令和4)年度アイヌ工芸品展「アトゥイ海と奏でるアイヌ文化」に関連し、12月18日(日)閉館後の17:00から、アイヌ伝統舞踏公演「白糠のフンペリムセ(クジラの踊り)」が同館しずかホールで開催され、物語の読み聞かせや白糠アイヌ文化保存会(磯野惠津子会長)によるむっくりの演奏とクジラの踊り等が披露された。
沢山の恩恵を与えアイヌの生活に欠かせない海とアイヌ文化をテーマに、今回の展示に合わせて図録にも特集し白糠町におけるアイヌ文化と海を紹介した。
白糠アイヌ文化保存会(1984年9月設立)は、アイヌ文化の保存伝承活動が認められ、1994年(平成6)年には国の重要無形民俗文化財に指定された。
現在、2歳の子どもから大人まで約30名が会員となり、日々踊りなどの練習に励み、道内外でもアイヌ文化の伝承に尽力している。白糠町はすべての学校で踊りを披露している。
踊りを分かりやすく説明した絵本「白糠フンぺクジラ伝説」の朗読や、アイヌ民族に伝わる竹製の楽器“むっくり”の演奏も披露され、小樽の会場では、白糠の海の踊りで漁に出た家族の無事を祈る「アトゥイソーリムセ」と、代表的な踊り「フンぺリムセ(クジラの踊り)」の2つを、保存会メンバー11名が演舞。参加者約50名が、アイヌ文化に触れる貴重な時間を過ごした。
磯部会長は、「最初にむっくりの名士による演奏があり、踊りはもっともっと長いものではあるが、今日は皆さんに披露できて快かった」と満足していた。
参加した清水道代さんは、「むっくりの演奏に感動した。小さな子どもも会員となり、皆さんのアイヌ文化を受け継いでいこうとする気持ちが凄い」と話した。
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