11月18日(金)開催の国の文化審議会(佐藤信会長)で、株式会社ニトリ(札幌)が所有する小樽市指定歴史的建造物の銀鱗荘本館(桜1・旧猪俣家住宅)とグリル銀鱗荘(旧北海道水産記念館)が、国の登録有形文化財に登録するよう文部科学大臣へ答申があった。
市内の同施設も含めて国内109の建造物を登録するよう答申があり、官報告示を経て、全国で国登録有形文化財(建造物)は13,639件になる予定だ。
小樽では、JR小樽駅・旧青山家別邸に続き、3件目の国登録有形文化財が誕生する見込みで、正式決定の日時は不明。今年5月に、所有者から小樽市教育委員会生涯学習課に申請が届き、北海道を通じて文化庁へ登録を申請。
文化庁の報道発表では、答申における主なものとして6件を紹介。その1つ目にニシン御殿を改修した近代和風ホテルの銀鱗荘旧本館を紹介している。
◎文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録(PDF)
石狩湾を見下ろす平磯岬の高台に立つ同館は、鰊漁で賑わう明治後期、余市の網元・猪俣安之丞氏が望楼付きのニシン漁家主屋を建てた。1958(昭和13)年に移築し、希少な宿泊できるニシン御殿として、50畳もの大広間や豊漁と安全を祈願した2間半もの大神棚、皮付き赤マツの床柱など栄華の歴史を伝えている。
グリル銀燐荘は、1941(昭和16)年に移築し、漁網倉庫だった建物を活かし、寺社建築様式をそのまま残しレストランとして活用している。
同委員会・山沢亮司生涯学習課長は、「観光客にとっても、文化財に泊まる・文化財で食事をする価値を感じてもらえればと、所有者も期待していた」と話した。
10月28日全国ロードショーの「天間荘の三姉妹」では、銀鱗荘を舞台に映画を撮影している。
◎小樽市〜登録有形文化財(建造物)の登録が答申されました(外部)
◎関連記事