小樽市総合博物館本館(手宮1)では、10月1日(土)・2日(日)に、2022小樽市制100周年記念・幌内鉄道開通140周年関連事業として、鉄道歴史体験プログラム「フラッグステーションと人力車」を実施した。
旧手宮鉄道施設が立ち並び、アイアンホース号が走行する構内を、人力車に乗車して巡り、アイアンホース号が、駅ではなく線路の途中の簡易停車場であるフラッグステーションから客車の乗車をする体験を初企画。1日(土)は事前予約の9組18名が、2日(日)は8組17名が参加した。
中央駅で、石川直章館長から、用がある時に留まる仕組みのフラッグステーションが、小樽では1880(明治13)年に朝里、札幌には琴似にもできたという説明が行われた。
資料があまりなく、朝里の同ステーションはわずか3年あまりの1884(明治17)年に姿を消し、白石の同ステーションの写真で解説。
列車を止める場合は定夫(じょうふ)が手旗の赤旗で列車を止め、通過させるときは白旗を上げる手順で、1897(明治30)年撮影の写真から赤と白の旗を用意した。
札幌-小樽間では、1884(明治17)年に無くなるが、そこから三笠までの間にあった岩見沢は1887(明治20)年頃まであった。
また、1876(明治9)年小樽に3台の人力車があり、南小樽駅で下車した客を、人力車に乗せて小樽駅まで運んでいたという。
今回は人力車3台が用意され、乗客を乗せて構内の歴史的建造物を巡り、機関車庫3号横に人力車を停車させ、参加者は、レンガの建物をバックに人力車との写真撮影を楽しんでいた。
停車中のアイアンホース号の運転席や客車には自由に乗車でき、写真撮影したり、南小樽駅にある出発の鐘を自由に鳴らすことができた。
14:30の便では、中央駅を発車し手宮駅に向かう途中にフラッグステーションを設け、定夫が赤い旗を上げて、機関士に合図を送り停車した。
参加者は、踏み台を使って一等客車に乗車し、再び手宮駅に向けて発車し、人力車3台が併走した。参加者は手宮駅で降車して方向転換を見学し、これまでにない光景が広がった秋晴れの中、鉄道歴史体験を満喫していた。
家族4人で参加した子どもは、「人力車に乗るのが初めてで風が爽やかだった。アイアンホース号の運転席に乗って楽しかった」とイベントを満喫した様子だった。
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