6月4日(土)・5日(日)の両日、一般財団法人小原流小樽支部(斉藤豊葉支部長)では、3年ぶりとなる花の輪・人の輪—みんなの花展を、市立小樽美術館(色内1)多目的・市民ギャラリーで開催した。
季節の花々を使ってそれぞれの思いを込めた、41名のいけばな41点が展示され、会場は華やかな雰囲気に包まれ、開館と同時に多くの人々が鑑賞に訪れていた。
ウクライナへの平和を願い、黄色のひまわりと鮮やかなマリンブルースプレーを活けた作品や、清々しい円形のギガンチウム、小さな緑の葉を付けたツルウメモドキ、不思議な花のトケイソウなど、季節の花々を取り入れた作品に心癒される。
斉藤支部長は、花の形の面白さを強調した観葉植物・キングプロテアやネオレゲリア、空気を綺麗にすると言われるサンベリアなどを使い、存在感を主張した作品に仕上げ、「コロナの影響で中止が続き、3年ぶりに花展を開催でき、会員の皆さんも含めて嬉しく思っている。花を見ていただき、日常の生活に潤いを持っていただければ幸いです」と話した。
特別企画として、小樽支部青年部一同で製作した造形作品、小樽ならではの題材「蜃気楼(高島おばけ)」も展示している。
造形作品の奥深さにも触れ、小樽の春の風物詩“蜃気楼”にも関心を寄せてもらおうと、昨年5月に小樽市公会堂で開催の第3回小原流北海道地区合同青年部作品展に出展するはずだったが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い中止となったため、今回の花展で展示した。
この作品のように、小原流には多彩な表現方法があり、生花だけをそのまま使用するだけではなく、植物の麻を使った紐を網に編み込み影を作り、ボールを水滴や波しぶきに表現して蜃気楼を造形している。
製作に携わった奈良智翠さんは、「小原流は、生花に限らずレパートリーは広く、蜃気楼の神秘的なところを作品に表現した」と話した。
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