大手総合総社双日株式会社(本社東京)は、5月28日(土)13:00から市民センター(色内2)マリンホールで、毛無山周辺の小樽市及び余市町の国有林地内に計画している風力発電建設事業についての説明会を行った。
計画の中止と撤回を求めている小樽余市の巨大風力発電から自然と生活を守る会(平山秀朋代表)が、住民に対する周知が全く進んでいない状況を懸念し、住民説明会の開催を強く要望し実現した。
地上高143~178mもの風力発電27基を予定し、1基あたり4,300kW~5,500kW・総発電出力116.1MWで、稼働年数20年。2024(令和6)年着工、2029(令和11)年春の運転開始を計画。
同社や株式会社建設環境研究所からは12名が出席し、開催を心待ちにしていた市民ら約70名が参加。
同社紹介や事業について説明され質疑応答後、休憩をはさんでさらに説明と質疑応答が行われたが、一番必要な資料の用意がなく、参加者から資料不足を強く指摘される場面もあった。
「小樽の年間平均風力は6mで風力発電に適していないのでは?毛無山まで冬場は修理に行けるのか?森林40haの伐採で178mものが27基も設置できるのか?低周波数による影響は?一番大切な風車病に対する説明が一切ない。毛無山の地盤は、豊浜トンネル崩壊した地盤のハイアロクラスタイトという重大な地質で調査なしで検討はない」など細部にわたる質問も多く、「健康の問題について無責任だ」と怒りをぶつける市民もいた。
なぜこの土地を選んだかについての質問に対し、豊富な風資源と、札幌が近く電力需要と整備されたインフラを理由とし、国の再生可能エネルギーの導入目標の36~38%に寄与し、小樽市のCO2排出量削減するゼロカーボンシティ宣言の実現にも寄与できるとし、市全世帯(約6万世帯分)の電力を賄う水準の供給が可能となり、地元企業や雇用の振興・電力の地産地消・森林施業の促進・ふるさと納税の活用による歴史的建造物の保全や活性化に繋がるとした。
また、地すべり地形調査では、航空撮影により地すべり地形を判読し、専門家による現地調査により地形・地質の状況を確認された箇所を回避すべく、風車配置を検討中としている。
風車の直接基礎の場合は、横幅約22m×高さ約5m、コンクリート使用量約1,300㎥、杭基礎の場合は、横幅約21m×高さ約5m、コンクリート使用量約1,200㎥。
残土は事業区域外に運搬しない予定で、木くずは全て有効利用し、風車の基礎には小樽軟石を使用する計画を検討中と示した。
環境影響評価(アセスメント)の今後の流れは、方法書手続が終わり、現時点では、調査・予測・評価・環境保全措置の検討の結果を示す準備書の手続きに向け、調査・予測・評価の実施段階で、その後、評価書の手続き・報告書の手続きと進める。
主な眺望15地点と身近な眺望7地点について、フォトモンタージュを掲示した景観について現地調査を実施したとしているが、不安や疑問について「最大限に検討する」との対応に、怒りを露わにする参加者もいたが、残りの質問はアンケートで処理され、説明会は3時間あまりで終了した。
29日(日)は、13:30から余市公民館(余市町大川町4)で説明会を予定している。
◎小樽余市の巨大風力発電から自然と生活を守る会(Facebook)
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