小樽・朝里のまちづくりの会(永井邦雄会長)は、遅咲きの八重桜が満開となる心地よい季節の中、ながら公園と新光南会館で、第2回朝里川桜咲く現代アート展を、5月14日(土)から22日(日)まで開催している。
小樽在住の現代アート作家7名による約60点を屋内外で展示し、新光南あじさい町会の住民による作品展「巷の巨匠展」も同時開催し、見事な芸術を身近に触れる貴重な機会となっている。
この事業は、地元の作家と現代アートをテーマに、地域の活性化、住民の住み良い環境づくりを目指すもの。
初日には、10:30からオープニングセレモニーを行い、永井会長や来賓の小山秀昭副市長の挨拶後、同展アートディレクターを務める作家・阿部典英氏が、「アトリエなどで製作した作品は、このように発表の場がなければ価値がなく、作家にとっても勉強にならない。
皆さんの大きな支援と援助により実現でき感謝している。それぞれの作家が多様な素材を使って、実験や研究を重ね表現するために努力している。ぜひ素材に注目しながら見比べていただきたい」と述べた。
ステージ上ではテープカットが行われ開幕を祝った。11:00からはの参加アーティスト6名によるアーティストトークが行われ、作品の前で使用した素材や作品について説明した。
トップバッターは、立体作品7点を出展した阿部氏による解説で、多くの人に囲まれ、ウレタン素材を使用した隆(A)と隆(B)について、「ウレタンの偶然の動きを取り入れ、形ができた後で、黒色のスプレーで着色した。10年単位で表現する素材を探し、スタイルを変えている」と、急遽追加された作品2点について話した。
江川光博氏は、公園のバックネットを活用し、漁業用の浮きのフロートを着色した物やアルミ線を用いて製作して展示した「BACK NET BLUES 2022」を「いろいろな角度から見てもらいたい」と説明。
同公園で注目を集める巨大なティラノザウルス(330×800×180)は、渡辺行夫氏の作品で、金属で骨組みをして、大イタドリ、発泡スチロールで形を作ったという。
市内中学校の美術教師の上嶋秀俊氏は、会場入口の地面を使って「あしもとを見つめて」を発表。「いつものギャラリーとは違い公園での展示とあって、散歩の方にも普段の様子とは違う、迷い込んだ錯覚を感じてもらいたい。
普段暮らす中で、人の考えや単なる知識だったりする新聞やニュースでの情報に、日々生活が振り回されていると感じている。自分が身体を使い自身で感じるためには、今一度、足元をしっかりと見つめる必要があるとメッセージになれば」と、作品の意図を語った。
新光南会館での同時開催でも、現代アート作家の作品が展示され、木彫作品8点を出展した彫刻家の福江悦子氏、キャンパスにアクリル絵具をエアブラシや手彩色で表現する大谷美由紀氏、Kit_A氏の屋外の木からミラーを吊り下げた作品や、室内の「核を捨てよ、地球(そと)を見よう」など、セメント・布・木材・断熱材など、様々な素材を使ったミクストメディア作品が並んでいる。
第2回朝里川桜咲く現代アート展
5月14日(土)〜22日(日)10:00〜17:00
ながら公園 新光南会館 観覧無料
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