小樽美術館「北に生きる猫写真展」 第2弾トークショー

 市立小樽美術館で開催中の土肥美帆写真展「北に生きる猫」に関連し、ギャラリートーク第2弾が、4月29日(金・祝)14:00から展示会場で行われた。

 

 河出書房新社で、2018(平成30)年に土肥さんが出版した「北に生きる猫」の同社北海道地区コーディネーターだった加藤重男さん(みんみん舎代表)との対談に、事前申込を済ませた30名が、ボス猫ケンジなど写真展に登場する猫達の話や、撮影エビソードに耳を傾けた。

 

 登別市出身で滋賀県在住の写真家・土肥さんは、2014(平成26)年から、人情味あふれる小樽の住民と猫との交流に心打たれ、猫の写真を撮り続け、コンテストにも挑戦していた。

 

 岩合光昭ネコ写真コンテストでは2年連続グランプリに輝き、アメリカで1888(明治21)年創刊のナショナルジオグラフィック(雑誌)にも掲載され、日本語版でグラビアの巻頭を飾るなど、めきめきと実力が認められている。

 

 この掲載写真を見た同社社員から、ぜひ写真集にと声がかかり加藤さんと出会った。

 

 ボス猫ケンジの写真が中心となるインスタグラムのフォロアー数は6.9万人。芸能人並みの人気となっている。

 

 嘘がなく正直で野性味がある猫と接すると、心の角が取れありのままの自分でいられることを感じ、これが癒やしに繋がるのだと、写真展に「みんなケンジをすきになる」とサブタイトルをつけ、どうしてこんなに好かれるか?紐解いていった。

 

 あけっぴろげの大らかさで細かいことは気にしないケンジを撮影するうちに浄化され、ケンジとの出会いが、さらに人と人とを繋げ、人間の良さも教えてくれたと、土肥さんにとって人生に大きな存在となっていったという。

 

 猫の嫌がることはしない、地域の方々の意思や思いを尊重することを心がけて撮影に臨み、猫との心の距離を近づけたい思いから、望遠レンズは使っていないそうだ。

 

 土肥さんは、「厳しい自然の中で頑張っている、猫たちの命のきらめきを撮影して残し、多くの人に伝えたい。ケンジと一緒に四季折々の景色も楽しんでいる。ケンジにできることはしてあげたい。1つは写真展、もう1つは写真集」と語った。

 

 最後に、8月上旬に同社から写真展のサブタイトルをつけた、写真集「みんなケンジを好きになる」出版を報告。写真集「北に生きる猫」以来、待望の2巻目となる。

 

 土肥美帆写真展「北に生きる猫」 5月8日(日)まで
 市立小樽美術館(色内1)2階企画展示室 5月2日・6日休館
 要観覧料

 

 ◎企画展「土肥美帆写真展 北に生きる猫」(PDF)

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