株式会社ニトリ(本社:札幌市・武田政則代表取締役社長)は、小樽芸術村の4館目となるステンドグラスやアール・ヌーヴォー、アール・デコのガラス工芸品や家具などを展示した西洋美術館(色内1)が、小樽運河のほとりにある旧浪華倉庫を活用し、4月28日(木)に同館前庭でオープン記念式典が行われた。
公益財団法人似鳥文化財団の似鳥昭雄代表理事(株式会社ニトリHD代表取締役会長兼CEO)をはじめ、浦本元人北海道副知事、迫俊哉小樽市長らが出席。
似鳥代表理事は、「美術に親しんでもらいたいと美術館を作り、4年目を迎え4ヶ所目のオープンとなった。日本人にとって、西洋の美術に慣れ親しむために、遠い西洋まで行かなくても作品を身近に観てもらいたいと、夢のひとつでもあった。ようやく、日本で初めての西洋美術館がオープンし嬉しい。次回は、できれば5棟目で日本美術館として過去から現在までの作品を集めたい」と挨拶した。
開館に先立ち、メディア向け内覧会が前日27日(水)10:00から開かれ、同芸術村顧問で総合プロデューサーの田中健氏と、同じく顧問でステンドグラス作家の志田政人氏による展示物の説明があった。
同村は、ステンドグラス美術館(旧荒田商会・旧高橋倉庫)、似鳥美術館(旧北海道拓殖銀行小樽支店)、2022(令和4)年2月に国指定の重要文化財となる旧三井銀行小樽支店と、新たに西洋美術館が加わった。
同館は、19世紀末から20世紀初頭にかけて欧米を中心とする美術運動のアール・ヌーヴォーの彫刻、グラス、日本の文化を取り入れた家具、1910年代半ば〜1930年代にかけて流行したアール・デコも展示され、ギリシャ・ローマ美術、ステンドグラス、19世紀装飾美術、マイセンルームの6つのコーナーで構成されている。
1階入口には、これまでの同村で展示されていた教会ステンドグラスとは違った、1898~1900年頃のアール・ヌーヴォーのさきがけとなるジャパニズムの典型的な作品「花と鳥のいる風景」を展示。格子にカットされたガラスに、鳥や花などの絵付けが施されている。
19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した、アール・ヌーヴォーを代表する作家のジャック・グリュベール「睡蓮とアイリス」や、画家のアルフォンス・ミュシュの絵画も鑑賞できる。
ガレやドーム、ティファニーのランプは、1900年代の仕立て屋のモダンなショールームの中に収められている。
2階の展望ラウンジは、ステンドクラスの技法について詳しく説明されている。ドイツ東部の首都マイセンで作られて高級磁器を集めたマイセンルームでは、20世紀初頭のマイセン最大の作家のシューリッヒコレクションが手がけた人形や装飾品などの作品を中心に展示。
志田氏は、「イギリス・フランス・アメリカの1990年代の同じ時代のステンドクラスが一緒になり、同時に発展したものを観ることができ、それぞれの違いを見つけてもらいたい」と話した。