11年前の2011(平成23)3月11日に発生した東日本大震災への復興の祈りを届ける「ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニー」が、全国11都道府県19会場で同日同時間に開催され、小樽でも3月11日(金)14:30から、サンモール一番街おたる屋台村レンガ横丁(稲穂1)前を会場に、同商店街振興組合小樽ストリートピアノ実行委員会(三ツ野篤久実行委員長)主催で開かれた。
三ツ野実行委員長は、「いろいろなところで、災害がいつ起こるか分からないが、戦争のない日本の国に暮らし、災害の少ない小樽に暮らすことができ、感謝の気持ちと世界の平和、災害で心痛む人が沢山いることを思い、祈りを捧げ、新たな気持ちで生活を始める1日になればありがたい」と挨拶した。
このイベントでピアノを弾くようになって6年、被災地に6年通い交流を続けている小樽在住のピアニスト・三浦明子さんは、「忘れないでいることが被災者を勇気づけ、真実を知ることでいかに普通の生活が幸せであるか感じると思う。
“ふるさと”は故郷を思って、“花は咲く”はどんな困難に遭っても、必ず春が来て道は開けるという思いが込められている。皆さんもピアノに合わせて口ずさみ、東北の人たちへ思いを伝えてもらいたい」と述べた。
2012(平成24)年から、全国19カ所をストリートピアノでつなぎ、復興への祈りを届けようと開催され、小樽は2016(平成28)年5回目から参加。昨年は10回目の節目で、6都道府県13会場で1,000名が、小樽では80名が参加した。
11回目となる今年は、昨年同様公表せず、商店街店主や通行人らが自主参加し73名が集まり、鎮魂の祈りを捧げた。
震災が発生した時刻14:46には、被災地を思い黙とうを捧げ、その後、三浦さんのピアノ伴奏で「ふるさと」「花は咲く」を、来場者とともに心の中で静かに歌った。
毎年参加している井上さんは、「震災が起きた日のことが忘れられない。ニュースの録画もそのままにしている。東北では回復していないと聞いている。コロナや戦争までも起こり、亡くなる子ども・傷つく大人、平穏な気持ちではいられない」と話していた。
同実行委員会の荒澤之博事務局長は、「コロナが終わり、来年こそは合唱とともに思いを伝えたい」と願った。
◎ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニープロジェクト(Facebook)
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