2019(令和元)年12月に亡くなった小樽蕎麦屋「藪半」の2代目店主・小川原格さんを偲ぶ写真展が、3月2日(水)から市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリーで始まった。
小樽を拠点に活動する写真家・小林好江さんが、同氏の様々な表情を7年間激写したものの中から、約120枚を厳選し会場に展示。小林さんにとっては初の個展となる。
2013(平成25)年にそばと酒の文化を広げたいと、小樽酒商たかの高野泰光さんと同店が協力し、蕎麦と銘酒の会を立ち上げ、2013(平成25)年3月11日に第1回目がスタート。2019(令和元)年1月まで、8月と12月を除き月1度のペースで開催していた。
同会は参加者20名限定(先着順)で募り、小樽や札幌から、中には名古屋などの遠方から参加する人もいた。
たかの厳選の50種類の酒と、旬の肴や締めの蕎麦を藪半が提供。スタッフの腕を磨く目的もあり、新メニュー開発にも貢献した。
2019(令和元)年12月に亡くなった後も、2020(令和2)年1月の70回まで開催した。自身も楽しめる催しで、2月に同年齢となる71回目までやりたいと言っていたが、叶わなかったという。
妻であり同店女将の小川原ひとみさんと娘さんも、写真展を楽しみに来場。亡き夫を偲び、「自宅にも写真が飾ってあるが、病気になってからの主人も映し出され、亡くなる前を思い出してしまった。病院に通いながらも会に参加し、お客さんと飾らないで話をしたり楽しみにしていた。会場の主人の楽しそうな笑顔を見ていただき、笑ってもらいたい」と来場を呼び掛けた。
ポートフェスティバル以来の知人で、同会にも参加していた小林さんは、写真の練習にと様々な表情をする同氏を写させてもらったという。
会の仕切り役だった小川原さんの生き生きとした表情を捉え、場面毎に思い出が詰まった写真が並んでいるが、厨房での微笑ましい夫婦の写真が一番の傑作。「蕎麦屋をやる意欲が強くて、蕎麦屋を生き抜いた小川原氏に注目してもらいたい」と話した。
蕎麦と銘酒の会 小川原格氏偲ぶ写真展
3月2日(水)〜6日(日)10:00〜17:00
市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリー 入場無料