市立小樽美術館(色内1)3階にある、版画の鬼才と呼ばれた一原有徳の記念ホ—ルで、長年に渡り文通を続け親交を深めていた池田良二と一原の作品を鑑賞する特別展「池田良二と一原有徳」が、1月22日(土)から始まった。
昨年春に企画していた特別展だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で叶わず、同館所蔵のコレクションから、改めて2人の版画家について、美術と文学の2つの視点から、一原の代表作品をはじめ、池田の初公開する作品などを展示している。
一原は、版画家以前に登山家・俳人として名を馳せ、退職後に執筆した太宰治賞候補となる小説「乙女岳」の一部を抜粋して紹介している。
一方、詩や文学との共同作業により、大きな成果を挙げている池田は、東京から一原を訪ね、親交を深めていた。当時、一原が池田に送ったハガキも展示紹介されている。
小樽を度々訪れた瀧口修造の詩との合作「睡眠者の思索 瀧口修造詩句」や、初期の池田に決定的な影響を及ぼした詩人・岡田隆彦と吉増剛造、評論家の酒井忠康らのポートレートをモチーフにフォトエッチングした「詩人の肖像」の連作も展示し、北海道を代表する異なる技法の版画家の作品を、間近で鑑賞できる機会となっている。
池田良二と一原有徳 1月22日(土)〜5月8日(日)9:30〜17:00
3/21を除く月曜日・2/15・4・3/22・23・5/2・6休館
市立小樽美術館(色内1)3階一原有徳記念ホール
観覧料:一般500円、高校生・市内70歳以上250円、中学生以下無料