北の猫に魅せられ独自の目線で猫を捉えた写真家・土肥美帆さんの写真展「北に生きる猫」が、1月22日(土)〜5月8日(日)9:30〜17:00、市立小樽美術館(色内1)2階企画展示室で開催される。
土肥さんが、2014(平成26)年〜2021(令和3)年に、豊かな自然の人情味溢れる街小樽で生きる猫たちの姿を激写したA3〜B1の写真69点と動画を展示する。
第一章では、「北に生きる猫たち」と題し、厳しい冬を懸命に生きる猫の姿を集め、第二章では、漁師さんとともに生きるボス猫ケンジにスポットをあて、土肥さんだけに見せる表情を紹介している。
土肥さんは登別出身で、現在は滋賀県在住。2014(平成26)年春に小樽を訪れ、漁港にいた猫を撮影したのが始まりで、その年の10月下旬にも再び小樽へ来て、冬へ備え丸くなった猫を見て、冬をたくましく生きる姿に心打たれ、小樽へ通うようになった。
漁師だけが出入りできる場所に土肥さんも迎えてくれるようになり、2017(平成29)年暮れに、漁師と浜にいた猫ケンジと出会った。
ケンジは2015(平成27)年に浜で生まれ、2019(平成31)年にボス猫となる。2020(令和2)年に浜と別邸の2重生活をスタートさせ、2021(令和3)年に、地域住民がケンジ御殿を建設するなど、ケンジの存在は、漁師にとってもかけがいのないものとなり、いつしかケンジも土肥さんの訪問を待つようになっていった。(漁師情報)
土肥さんが魅かれるケンジの魅力は、「8kgもある体から、見た目も動作も佇まいも面白く、地域のみんなに愛されている」と話し、「2008年から猫を撮影しているが、ケンジに出会って撮影の仕方が変わった。猫のポーズから表情に重点を置くようになり、ぜひケンジの表情に注目してもらいたい」と、来場を呼び掛けた。
土肥さんのインスタグラムでのフォロワー数は5万人となり、多くの人に癒やしと元気を与えている。
小樽の猫たちを撮影した写真は、日本写真協会主催2016JPS展の文部科学大臣賞、2017(平成29)年ニッコールフォトコンテスト大賞、2015(平成27)・2016(平成28)年の岩合光昭ネコ写真コンテストでグランプリ連覇など、多数の受賞歴を持つ。
2018(平成30)年に河出書房新書から「北に生きる猫」を出版し、それを記念して、小樽市立図書館でパネル展を開き、多くの反響を得た。
本展コーディネーターの杉本真沙彌さんは、「芸術性が高く評価され、人々の心を動かす作品が、小樽で生まれていることを多くの方に知ってほしいと、本展を企画した。作品を見た後には心がほっこりし、猫たちに一層温かい眼差しが向けられることを願う」と話した。
開催を記念して、Tシャツ・クリアファイル・スクエアノート・ポストカード・チャリティメモ帳を制作販売し、収益の一部はケンジと共に生きる猫たちの食事や治療費に充てる予定だ。
チャリティメモ帳100円の売上は、小樽市美術館協力会とおたる樽ねこへ全額寄附を予定している。
2月6日(日)のギャリートークは定員となったが、次回4月29日(金・祝)は14:00から企画展示室で、土肥さんと加藤重男さん(みんみん舎代表、河出書房新社北海道地区コーディネーター)の出演を予定している。
4月2日(土)9:00から予約を開始し、予約または問合せは市立小樽美術館(0134-34-0035)へ。
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