小樽余市の巨大風力発電から自然と生活を守る会(平山秀朋代表)では、12月16日(木)9:30から小樽市役所(花園2)2階市長応接室で、4月発足以来集めてきた建設計画撤回を求める署名7,213筆(うち市民3,255筆)を、直接、迫俊哉市長へ手渡された。
この署名は、11月25日(木)に余市町長と北海道知事へも提出されている。
双日株式会社(東京都)により、小樽-余市にまたがる国有林1,067haに、最大で200mもの風力発電を27基建設する大規模な計画が行われようとしており、2023(令和5)年度までに環境アセスメント手続きを終了し、2024(令和6)年春には着工。2029(令和11)年に運転開始し、20年間稼働する予定だ。
平山代表は、「国有林の自然破壊、低周波音による健康への影響の可能性、景観の破壊の3つを柱に活動し、実際に塩谷丸山にも登り、大変なことになると実感した。
20年間稼働して影響がないわけがない、短期間の調査で予測できるわけもない。大きな不安から署名を集めた。引き続き周知をしていきたい」と述べた。
迫市長は、「市としての見解を示す状況ではないが、市長の考え方として、国有林の貴重で豊かな生態系を守りたい。CO2の削減から行くと有利性はあるかと思うが、市の取り組みとして、市内で植樹をしている団体があり、子どもたちに対しても森林の大事さを伝えている。まずは森林を守る大事さがある。
風力発電の被害についてはまだ示されていないところがある。小樽市の観光基本計画第2次に、山は観光資源と明記されている。塩谷丸山には多くの登山者がいる。失われていく生態系を含めて自然環境・景観を、比較考慮した上で判断したい。
今年5月、ゼロカーボンシティ(2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す)を表明し、再生可能エネルギーの導入により、エネルギーの地産地消の取り組みを進めていかなければならない立場にある。自然環境など失われるものを考えながら判断したい。
市民の皆さんの景観に対する思いが非常に敏感だと思う。自然・歴史の景観意識が強いと思う」と述べた。
迫市長は、道知事に対し、“環境配慮書”と“環境影響評価方法書”に関わる厳しい意見を2度提出している。
現時点では、環境アセスメント2段階目が終わり、3段階目では、事業者が環境調査も含めて、より具体的な計画を出す準備書の段階。この段階が、直接、住民が意見を言える最後の段階となる。
その前に、市民への周知と中止を求める声を大きくし、準備書の段階で行う説明会では、ものすごい数の人の参加を期待している。
住民周知のためにも、事業者に説明会を要望したところ、法定外の住民説明会を2月に実施する予定で、今後も中止撤回を明確にし、この建設にはメリットがないことを、引き続き事業者に伝えたいとした。
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