小樽で第25回文化セミナー 観客ライブで開催

 特定営利活動法人絵本・児童文学研究センター(工藤左千夫理事長兼所長)では、第25回文化セミナー「明日の物語」を、11月23日(火・祝)12:00から、小樽市民センター(色内2)マリンホールを会場に、コロナ禍に対応し無観客でライブ配信した。

 

 講演会に先立ち、迫俊哉小樽市長が、「2年ぶりの開催となり、文化セミナーを通じて文化を発信することを誇りに思う。33年前に工藤理事長が開設し、小樽を代表する文化事業として、養老氏をはじめとするレギュラーメンバーとヤマザキ氏が初出演し、有意義な時間を過ごしていただきたい」と挨拶。

 

 第1部は、脳科学者の茂木健一郎氏、漫画家・文筆家のヤマザキマリ氏、詩人で翻訳家のアーサー・ビナード氏、同センター顧問の斎藤惇夫氏、解剖学者で同センター名誉顧問の養老孟司氏の順番で、「明日の物語」をテーマに、1人30分以内で講演会を行った。

 

 茂木氏は、「豊かな経験を育み、生きるためには物語が必要で、良い物語はいろいろな人を救う」と述べた。

 

 ヤマザキ氏は、「想像力を枯渇させてはいけない。失敗しようが、すべて自分のプラスになる」と提言した。

 

 小樽ポエムコンクールの審査員も務めるビナード氏は、敵対国で使用されている言語を指した適正語が禁止されたことへの不信感や、戦時紙芝居「玉砕軍神部隊」で肯定しにくい言語が次々と出てきたことに触れ、同氏が翻訳したエリックカールの絵本「ありえない」のように、「ありえないことへの想像力を高めよう」と語った。

 

 児童文学作家であり幼稚園の園長を務める斎藤氏は、「日々の子どもたちの遊びの中から物語が生まれ、想像力を伸ばそうと生きる力を感じた」と語り、最後に養老氏が、「共有できる物語を作ると面白い。想像力の強さとは、実は物語かもしれない現実と繋がっている」と述べた。

 

 第2部は、茂木氏がコーディネーター役を務め、講演者によるシンポジウムが行われ、本日のセミナーは、12月中旬から来年4月25日まで録画配信される予定。

 

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