小樽市総合博物館(手宮1)では、本館企画展示室で、蒸気機関車収集家・山田建典氏の寄贈資料による鉄道資料展が12月5日(日)まで開かれている。
鉄道ファンには「山田コレクション」として知られる、江別市の実業家・山田氏(1942—2015)の鉄道関連コレクションで、十数両の私鉄専用の蒸気機関車など、実物車両から鉄道関連の図書や時刻表、私鉄に関する文書類など貴重な資料を収集。2019(令和元)年に、家族から同館へ相談があり寄贈されることに。
その寄贈資料は莫大で、バナナ箱50箱以上収納され、新型コロナウイルス感染症の影響で臨時休館した状況を活用し、学生の協力の下、分類や整理作業を進め、今回の企画展開催となった。
鉄道雑誌や旅行案内・記念切符・職員用の教本類など約1,500点、鉄道院時代から国鉄時代までの文書資料類・時刻表・ダイヤグラム・パンフレット類約500点、三菱鉱業美唄鉄道事務所関連資料約1,000点あり、事務書類や機関車図面の原図など、明治から昭和にかけて歴史上重要な一級資料も含まれていた。
企画展では8コーナーに分け、国鉄関連・調査研究資料コーナーでは、日本国有鉄道時代に使用されていた内部資料が中心となり、運用表・運賃関係・営業キロ程表・専用線・停車場一覧などの資料と、鉄道省(大正9年〜昭和18年)時代の資料や運輸調査局の調査研究資料を展示。国鉄統計・広報誌のコーナーには、昭和30〜50年にかけての SL全盛期の資料を並べ、中には部外秘扱いの社内誌も。
鉄道好きにはたまらない時刻表は、書籍型・携帯用・一枚ものなど、種類も豊富に収集され、特にその駅だけで配布されたレアものも。
細かい目盛りが書かれた運行図表の列車ダイヤ(ダイヤグラム)は300枚もあり、災害時の迂回ダイヤや除雪列車ダイヤなど、珍しいタイプも見つかった。
1914(大正3)年に開業し1972(昭和47)年に炭坑閉山し、廃止となった三菱鉱業美唄鉄道については、当時の構内の地図をはじめ、機関車の図面や事務所関連資料の石炭注文書など貴重な資料が残されている。
担当の佐藤卓司学芸員は、「資料の数に圧倒される展示で、山田コレクションのすごさを感じてもらいたい」と来場を呼び掛けている。
鉄道資料展〜山田建典氏コレクション〜 12月5日(日)まで
小樽市総合博物館(手宮1)本館企画展示室
高校生以上要入館料