小樽市総合博物館(手宮1)に動態保存されている蒸気機関車アイアンホース号の一等客車の改修が完成し、10月30日(土)11:00から、敷地内にある国指定重要文化財旧手宮鉄道施設でお披露目セレモニーを行った。
文化庁の文化資源活用事業費補助金を活用した「小樽市の文化財を活かした鉄道歴史体感プログラム」におけるアイアンホース号の客車整備事業で、明治期をイメージした一等客車の改修の他、三等客車と石炭貨車も、11月1日(月)から改修に入り、来春の公開を目指している。
機関車庫3号から出庫した同客車は、駅長姿の迫俊哉市長を乗せて転車台へ移動。100名ほど集まった観客に見守られながら回転し、停車中のアイアンホース号を後進させて連結し、けん引されて中央駅へ移動した。
迫市長は「来年は、幌内鉄道が開通して140周年の記念すべき年。明治期に走っていた客車に復元する整備ができ、喜んでもらえると期待している」と挨拶。
その後、手宮駅で新客車の完成を祝うテープカットを行い、一等客車の内部公開が行われた。
同車両は、1892(明治25)年に、道内で初めて製造された同館所蔵の一等客車「い1号」を参考に、車両の基礎部分を残し、上部はすべて手作りで、車両後部のデッキには、採光を目的とした屋根を2段にした「越屋根」や、鋳物のレリーフを再現。
片側にはデッキを設け、明治期のイメージを守りつつ、バリアフリー仕様とした。客車のボディーには、北海道炭礦鉄道(現北海道炭礦汽船)のマークも入れている。
来春のアイアンホース号運行開始(4月29日頃)には、この一等客車とともに、三等客車・石炭貨物も完成され、アイアンホース号にけん引されて、乗客を乗せて運行する予定。
小樽在住の浜崎史翔君は、アイアンホース号にいつも乗っているファンの1人で、「座り心地も良く楽しかった。来年は乗りたい」と話した。
新客車「一等客車」の内部の公開は、10月31日(日)・11月3日(火)11:20〜15:00。