手塩にかけ育てた25席 小樽市文化祭〜盆栽展

 小樽市文化祭の一環として、10月21日(木)〜24日(日)に、市立小樽美術館(色内1)多目的ギャラリーで、盆栽展(公募)が開かれている。

 

 小樽盆栽会(山田秀男会長)と小品盆栽部会(吉田収会長)の会員、体験盆栽会の生徒の25名・25席を展示。会場には、秋深く葉が落ちて柿の実がいきいきと実る木など、秋の風情に包まれている。

 

 市長賞には、山田秀男さんの創作盆栽が選ばれ、会場中心部に展示され、新しいスタイルの盆栽が来場者の目を楽しませている。

 

 創作盆栽とは、日本の伝統文化の盆栽の技術や心を継承しつつ、現代の暮らしに合わせて手軽に楽しめる新感覚の盆栽で、山田さんの作品は、流木を崖に見立てて主木の真柏の成長する姿を創造した作品で、岩陰にはクマや鹿の置物も置かれていた。

 

 読売新聞社賞を受賞した柴田智王さんの紅色の葉を付けた主木の紅葉は、枝振りや葉の作り込み、見事な葉の色が評価され、樹齢100〜130年の真柏を主木に大文字草を下草に添えた、前田孝志さんの作品は教育長賞に選ばれた。

 

 11月で91歳になる吉田会長は、健康のためにと30歳代から続けている盆栽を今も楽しんでいる。

 

 黒松や実の付き方が良かった黄のピラカンサス、15個もの赤々とした実をつけた姫りんご、小さな鉢に可憐な花を咲かせている大文字草、赤い小さな実のかまつかを、バランス良く5点盛りで出展した。

 

 小品盆栽の魅力は、「小さくても実を付けたり、花が咲いたりするところ。朝晩の水やり加減が大事」と話した。

 

 特別優秀賞を受賞したのは、退職後の趣味として入部して4年の朝妻信志さんの主木に黒松、下草にみせばやその他梅もどきの3品の作品。

 

 黒松に水をやりすぎて伸びすぎたところが反省点で、盆栽は、樹齢を重ねると木肌が良い味を出し、剪定して枝振りを見せるという引き算だという。

 

 指導者の毛利さんの作品は、毎年、来場者の心をつかむ作品が多い。今年は、樹齢400年の五葉松。総理大臣の岸信介が持っていたと言われる木が巡り巡って毛利さんのところに来て14、5年経つという。

 

 届いた当時は、7割は助からないと思われていた木だったが、枝を増やし生き延びているという。秋のススキを添えて出展。

 

 津軽りんごの在来種(原木)も出展し、食べているりんごは、この原木を改良したものと説明。あまりお目にかかれない貴重な盆栽を楽しむことができる。

 

 毛利さんは、「コロナの影響で、学習会も2回しかできなかったが、各自自宅で天塩にかけて育てた作品を、ぜひ文化祭で見てもらい」と話した。

 

 10月21日(木)〜24日(日)の盆栽展期間中に、2022(令和4)年盆栽作り体験教室の参加者を募集している。

 

 2022(令和4)年5〜10月の月1回9:30〜12:00、長橋なえぼ公園セミナー室で開講。受講無料、材料費5,000円程度。問合せ:080-1971-3933、FAX:0134-22-3933 小樽盆栽会事務局。

 

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