特殊詐欺被害防止 相談の現状と講演会

 小樽・北しりべし消費者被害防止ネットワーク会議では、8月10日(火)13:30から小樽市消防庁舎(花園2)6階講堂で、小樽と北しりべし(余市・仁木・積丹・古平・赤井川)の23構成団体約40名が参加し、事例紹介と現状と対処法を学ぶ講演を2年ぶりに行った。

 

 同会議は、消費者被害の未然防止を図るため、2005(平成17)年に道内14番目の地域版ネットワークとして設立。その後、2014(平成26)年に現在の名称に改名。

 

 依然減らない悪質商法や特殊詐欺被害に遭わないために、小樽・北しりべし消費者センターの齋藤智子副主任相談員が事例を紹介し、「特殊詐欺被害に遭わないために」—現状と対処法—について、小樽警察署生活安全課生活安全係の手倉健太郎主任による講演が行われた。

 

 2018(平成30)年度は1,092件の相談件数があったが、2019(平成31)年度は965件、2020(令和2)年度は917件だった。2017(平成29)年度〜2020(令和2)年度で一番相談が多かったのは、架空請求ハガキについてで、次いでインターネット契約の電話勧誘や料金トラブルについて、アダルトサイトのワンクリック請求や携帯サイト利用の架空請求の相談が目立った。

 

 認知症のある高齢者が、自ら出かけて購入した高額の機械や大量の健康食品を、地域包括センターと連携して返品・返金した事例も紹介。

 

 「光回線は必要ですか?」と電話で聞かれ、アナログ回線に変えるための書類が「生活サポート」の名目で届き、アナログに戻して別の契約をさせられるケースや、外出自粛の2020(令和2)年2月頃から動画や写真サイトを見る機会が多くなり、相談者の年齢が20歳未満が21件と前年よりも増え、コンビニでの電子マネーで支払う新たなやり方も使われているという。

 

 手倉主任は、これまでの実体験を踏まえ、息子や孫・警察官等のふりをして、事故に対する示談金を名目にだまし取る「オレオレ詐欺」、金融機関の職員になりすましキャッシュカード交換手続きの名目でだまし取る「預貯金詐欺」、もっともらしいハガキを送り、見覚えのない料金や有料動画の請求など「架空料金請求詐欺」、行政機関の職員になりすましだましとる「還付金詐欺」など、特殊詐欺の特徴について説明し、金融商品詐欺・ギャンブル詐欺・交際あっせん詐欺など、日々、新たな手口が使われていると注意が必要を促した。

 

 北海道での2020(令和2)年度に発生した詐欺は183件で、被害総額は約4憶9,000万円。預貯金詐欺やキャッシュカード詐欺が増え、2019(令和元)年と比較して、23件・約7,700万円増加している。

 

 手倉主任は、「自分が被害に遭うとは思っていない人がほとんど。遭わないためには手口を覚え、留守番電話を活用し、電話防犯機器が有効で、犯人と話さないことが防犯に繋がる。

 

 なにか不審なことがあったら警察に相談。常日頃、家族との絆を深め、詐欺に関して会話し、犯罪被害を出さないことが、安心してくらせる北海道を実現できる」と締めくくった。

 

 ◎小樽・北しりべし消費者被害防止ネットワーク会議について(外部)