絵画で観る北海製罐第3倉庫展 UNGA↑

 タウン誌「月刊おたる」の表紙絵・挿絵・写真・寄稿文などに掲載された北海製罐第3倉庫を展示した、絵画で観る北海製罐第3倉庫展が、UNGA↑(うんがぷらす・色内2)2階ギャラリーで、6月26日(土)まで開かれている。

 

 同展では、小川清氏などによる同誌表紙絵8点をはじめ、前発行人の米谷祐司氏のフロンティア、小樽運河を守る会初代会長の越崎宗一郎氏の小樽の倉庫群(大正編・昭和43年9月号掲載)や、小野洋一郎氏の小樽運河歴史探訪•石造り倉庫群(昭和54年7月号掲載)などの寄稿文から、北海製罐設立の背景や小樽の倉庫群についての歴史など、改めて同倉庫の大切さ・素晴らしさを再確認する展示会となっている。

 

 同倉庫は、今年の秋までに解体か保存活用かの決断が迫られ、1月に駒木定正氏が座長となり、第3倉庫活用ミーティングを立ち上げて10回ほどの会合を重ね、活用方法を検討している。

 

 小樽運河を守る会初代事務局長の藤森茂男氏の娘で、同誌の藤森五月編集長もメンバーの1人として、同ミーティングに参加。

 

 初顔合わせの時に、駒木氏から、同誌バックナンバーの中で、同倉庫に関連したものがあるか調べてみてと課題が出されたのがきっかけとなり、メンバー6人とともに、これまで発刊した680冊を調べ出し、会議用資料にコンパクトにまとめ上げたところ、貴重な資料だと同氏から絶賛された。

 

 父・藤森氏が描いた運河100点の中から、同倉庫の絵画10点と市立小樽美術館所蔵の市内画家・大和屋巌氏、冨澤謙氏、木嶋良治氏、鈴木傅氏の絵画5点の画像と、FMおたるの田口智子プロデュサーが聞き手となって、五月氏が亡き父との思い出を語るシーン、ライトアップの仕掛け人福島慶介氏と駒木氏のインタビューも盛り込み、約10分の映像も放映している。

 

 また、スマホやタブレットからQRコードを読み込みだけで、同倉庫を3D映像で隅々まで楽しめる「北海製罐第3倉庫VR」も設定した。

 

 幼い頃から運河のために力を注いでいる父の姿を見て育った五月氏は、「第3倉庫は、市民の皆さんや未来に向かっても大事な建物である。約100年の小樽の歴史の語り部で、北運河の象徴と感じている人も多い。市民のためにどうしたら活用できるか、小樽になくてはならない架け替えのない建物として、楽しく利用できることを考えたい。

 

 今回の展示では、絵画などを観るように美術的観点から入ってもらい、建物や背景を知り、第3倉庫ミーティングがプランを練るために学習して検討していることも知ってほしい」と話した。

 

 絵画で観る北海製罐第3倉庫 6月22日(火)〜26日(土)11:00〜17:00

 小樽百貨UNGA↑(色内2)2階ギャラリー 入場無料

 

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