新型コロナウイルス感染拡大防止のため休館していた小樽市総合博物館運河館(色内2)では、4月から開催中だったトピック展「集まれ!小樽の海岸性甲虫」を、6月21日(月)から再開した。8月12日(木)まで開催。
小樽市には約67kmにも及ぶ海岸があり、人工物のない自然のままの海岸が6割以上を占め、その自然海岸で生息している特有の昆虫などを専門とする能瀬晴菜学芸員が、5年前から海岸性甲虫の研究を手掛け、その集大成を発表。
海岸でしか生息できない特有の昆虫は、研究もあまり進んでいないためか、あまり知られておらず、調査すればするほど未知の部分も多く、研究する側にとっては、新たな発見が詰まっている魅力ある世界だという。
同展では、岩礁や礫浜、砂浜の3つのパターン別に生息する海岸性甲虫15種類を、標本と拡大写真で紹介している。
1㎜に満たないハマベムクゲキノコムシは、最も体長が小さな科に属し、この企画展のためにあちらこちらを探して発見。小樽では初めて見つけられた、レアな昆虫もあるという。
1928(昭和3)年に新種として発見されたキベリマルヒサゴコメツキの標本も展示し、小樽の海岸に生息する昆虫の生態を知る貴重な機会となっている。
能瀬学芸員は、「小樽には自然海岸が6割あり、良好な自然が残っていて、そこに生息する身近な生物をもっと知ってほしい」と話した。