しりべし経済レポートVol.99 コロナ禍で厳しい状況

 北海道財務局小樽出張所(港町5)は、6月10日(木)に、2021(令和3)年1月から3月期における「しりべし経済レポートVol.99」を発表。

 

 後志管内の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にあり、一部に持ち直しの動きがみられた前回(令和2年10月〜12月)と比較して、持ち直しに向けたテンポが緩やかになっていると総括判断した。

 

 この厳しい状況は、同感染症の影響があった2020(令和2)年1〜3期から続いている。

 

 同レポートでは、個人消費・観光・住宅建設・公共工事・生産・雇用の6項目について調査し、個人消費に関しては、前回判断で一部持ち直しの動きが見られたが、1月・2月は同感染症の再拡大により、後志管内でも感染者が増加。巣ごもり消費に好調が見られたが、外出自粛要請により来店者が減少、売上に響いた。

 

 雇用についても、前回よりも有効求人倍率・新規求人数ともに、前年を下回り厳しい状況にある。

 

 観光は、1月〜3月を通してインバウンドが消失し、前年を下回り、GOTOトラベル事業の停止もあり低調。2月は、市内で外出自粛・往来自粛要請により落込みが大きい。3月は、集中対策期間の終了により道内の観光客に動きがあり、前年を上回ったが、例年に比べると低調。

 

 2月の小樽雪あかりの路の中止も、経済損失は大きいと思われる。

 

 6項目のうち、前回を上回ったのは住宅建設と公共事業。公的機関は、コロナ禍で家にいる時間が増えたことで、貸家を手狭に感じた人などの持ち家に対する需要が高まったことによるのではと予測。

 

 生産に関しては一進一退の状態が続く。

 

 水産加工では、土産需要の減少などから一部の弱い動きが見られる一方で、巣ごもり消費から持ち直しの動きも見られた。

 

 金属・機械は、企業の設備計画が見送られ受注が減少。プラスチック・ゴムは、土産包装用のフィルムが低調の一方で、外出自粛による園芸需要の高まりから長靴が好調であった。

 

 ◎しりべし経済レポートVol.99(PDF)

 ◎財務省北海道財務局小樽出張所(外部)

 ◎関連記事