北運河のシンボル的存在で、保全活用か解体かの判断が迫る、北海製罐株式会社(東京本社)所有の小樽工場第3倉庫(港町)をライトアップするイベントが、5月3日(月)~5日(水)18:00~21:00の日程で始まった。
今年1月に結成された小樽商工会議所(山本秀明会頭)と小樽観光協会(西條文雪会長)が主体となる民間組織、第3倉庫活用ミーティングの主催。
当初は、2月の小樽雪あかりの路に合わせて実施する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期となっていた。
ライトアップの企画制作には、同ミーティングメンバーのN合同会社福島慶介代表をはじめ、株式会社アートフル(船戸大輔代表取締役)、株式会社KOO(中村友代表)の小樽好きが力を出し合い、北海製罐株式会社と株式会社福島工務店が協力。
同倉庫の運河側に33基の電球を設置し、テーマは「鼓動」。“北海製罐小樽工場第3倉庫”と発信したモールス信号や上空に伸びるサーチライトなど、光と音で表現し同倉庫の存在感を印象付けた。
会場で流れている曲は、中村代表がライトアップのために制作した。
社会貢献活動で単位を認定する小樽商科大学の学生24名が、1日20名ずつ協力。ボランティアとしてライトアップに携わり、貴重な経験の場を作っている。
雨の降る凍える寒さの中、設置を終えた福島氏は、「建物は役目を終えてひっそりとしているが、長い年月が過ぎ有機的な存在。生き物に近いのではと考え、テーマを鼓動とし、ライトアップの機会に表現してみた。
暗くなると狙った状況を作ることができたと感じた。倉庫の1階・2階が100m、3階が約90mもあり、配線等の準備に苦労した」と話した。
第3倉庫のライトアップに期待を寄せた市民や写真愛好家が、ブルーアワーを狙い暗くなる前から会場に集まり、撮影を楽しんでいた。
同建物は、1924(大正13)年に建造され、鉄筋コンクリート造地上4階建・敷地面積約2,745.27㎡・建物全長約100m・最大幅約20m。
倉庫の劣化具合の調査を、5月の連休後から6月いっぱいまで行い、9月までには保全活用プランをまとめ、市に提案する予定。
同ミーティングが実施する事業に対し、補助の財源とするガバメントクラウドファンディングを、7月7日(水)まで実施している。目標額5,360,000円。
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