朝里川に花咲く!現代美術に親しむアート展

 

 

 小樽・朝里まちづくりの会は、地元の芸術家の作品を展示する「朝里川花咲く現代アート展」を、5月15日(土)~23日(日)に、ながら公園(新光5)・朝里川遊歩道・新光南会館(新光5)の3会場で開催。

 

 1999(平成11)年に発足した同会は、リバーサイドフェスや花火大会、親子マラソンなど、地域がひとつになってイベントを積極的に実施。

 

 昨年からのコロナ禍で中止を余儀なくされたが、植樹された八重桜が見頃を迎え、川のせせらぎや鳥の囀りとともに、現代アートが溶け込んだ空間に、来場者は、心和ませていた。

 

 今回、桜を植樹するなど2002(平成14)年から整備を進めていた朝里川遊歩道を活用し、桜の季節に何かできないかと考えていたところに、朝里川温泉に移住して6年目となる阿部典英氏と出会い展覧会を企画。

 

 朝里川遊歩道や桜見本園を多くの人が訪れ、馴染みのない現代美術に親しみ、憩いの場作りをさらに進め、将来的には、温泉地区との芸術村構想の起点となる可能性を探る。

 

 様々な素材で立体作品を生み出す阿部氏が、同アート展のディレクターを務め、小樽在住の作家仲間5名の協力で、立体・平面作品を屋内外に展示し、作品と風景を堪能できる空間を作り上げている。

 

 ながら公園には、阿部氏の立体作品8点と上嶋秀俊氏と佐藤正行氏の作品を展示。新光南会館では、高野理栄子氏・森万喜子氏・末永正子氏による平面作品と、阿部氏の立体作品ギャラリー、住民参加の「ちまたの巨匠たち展」と題して、絵画や盆栽・書道・面など23点を展示している。

 

 銭函中学校美術教師で小樽出身の上嶋氏は、空間を使ったインスタレーション作品を発表。作品「みずのもり」を屋内に、朝里の自然と作品が見事に調和した屋外に、樹木を使いパーツを散りばめ「みずのきおく」を展示。

 

 上嶋氏は、「川のせせらぎや八重桜のロケーションが気に入った。同会が熱心に活動し、地域活性化され良いところだと関心を寄せていた。このようなアート展は良い取り組みだと思う」と話した。

 

 14:00からオープニングセレモニーと、16日(日)の参加作家を講師に、朝里中学校と銭函中学校の美術部員を集めたワークショップは中止とし、座談会とアーティストによる作品紹介はYouTube配信に変更。

 

 阿部氏は、「皆さん、コロナ禍で大変な思いや窮屈な生活をされていると思うが、ここは密にならずに鑑賞できる場所なので、少しでも貢献できれば嬉しく思う。特に子どもたちに見てもらい、1人でも興味を持ち、将来やってみたいと思ってくれれば、今回の展覧会は大成功だと思う」と話した。

 

 第1回朝里川桜咲く現代アート展

 5月15日(土)~23日(日)10:00~17:00 観覧無料

 ながら公園・朝里川遊歩道・新光南会館