小樽商工会議所(山本秀明会頭)は、3月31日(水)10:30から、小樽経済センター(稲穂2)大ホールを会場に、第142回通常議員総会を開催。議員80名のうち47名が出席した。
冒頭、山本会頭はオタモイ地区の開発事業に関して、「29日に特別委員会を開き、ニトリから5千万円の寄附があった。しっかり事業化し自然観光を含めた観光のバリエーションを広げ定着させて、宿泊型の観光へ向けて進めたい。
北海製罐小樽工場第3号倉庫も北運河エリアでシンボリックな建物。行政と連携して保全活用へ向けて進めたい」と説明。
産業振興と観光振興による持続可能なまちづくりを目指す基本的な考え方をもとに、北海製罐小樽工場第3倉庫の保全・活用、女性や高齢者の就労機会の創出・増大に向けた支援の強化の新規事業を含む、重点項目13を掲げた政策提言並びに要望活動や、特別委員会によるオタモイ地区開発事業などのプロジェクト活動の推進など、10項目にわたる2021(令和3)年度事業計画案と収支予算案の2つの議案を承認した。
2021(令和3)年度重要施策として、事業者とともに課題解決を図る伴走型支援を強化する「コロナ禍における中小・小規模事業者の経営安定に向けた支援の強化」、小樽駅前広場と駅前第一ビルの整備や第3号ふ頭及び基部の整備、第3号倉庫の保全など問題解決に積極的に取組む「地域課題解決に向けた政策提言・要望活動の展開と商工会議所自らの実践」、小樽の強みである観光を基軸に据えたまちづくりを目指す「持続可能なまちづくりに向けたプロジェクト活動の展開」、若い世代の将来にわたる小樽での生活基盤の確立を目指す「地域経済の縮小を防ぐ創業支援・事業継承支援の強化」を掲げた。
持続可能なまちづくりに向けて「地域資源を活かした産業振興と裾野の広い観光振興」をテーマに、駅前広場と駅前第1ビルの一体的再開発を検討するまちの魅力向上プロジェクト答申と、日本銀行旧小樽支店の重要文化財してなど歴史的まちなみ保全に向けた事業を推進する歴史的まちづくりプロジェクト答申について報告があった。
駅前広場と駅前第一ビルの一体的再々開発に特化し、交通拠点・観光機能等駅前エリアの高度化を検討し、再々開発プランを取りまとめることを目的としている、まちの魅力向上プロジェクトの対象エリアは、駅前第一ビル・野口病院・樽石ビル・樽石駐車場・小樽駅構内立売商会・小樽経済センタービルを含む5,000㎡。
再整備案検討のポイントは、歩行者と車両の動線を分けて危険な状況を解消し、歩行者の安全と、にぎわいを創出できるスペースや公共交通利用者や駅利用者の利便性を確保する。一般駐車場を広場外へ移動し、小樽駅から海が見えるなど景観のポテンシャルの高さを活かした整備案を取りまとめた。
歴史的建造物と歴史的景観の保全について検討することを目的とした、歴史まちづくりプロジェクトの対象エリアは、小樽市総合博物館本館とメルヘン交差点を結ぶ色内本通りから堺町本通り沿い及び旧銀行街のある緑山手線沿いを中心とするもので、国の重要文化財6棟・市指定有形文化財2棟・市指定歴史的建造物52棟・登録のみ歴史的建造物2棟、小樽市が作成した3つの日本遺産ストーリーの構成文化財の建築物68棟のうち57棟が集積する、小樽らしい歴史的町並みを形成しているもの。
町並みの保全の規制を強力に行うためには、都市計画法を用いた都市計画決定や条例を整備する方法が最も効果的だが、私権の制限が強いため関係者との調整や市民の理解が重要となる。
また、市登録の歴史的建造物を比較的活用が自由な国登録有形文化財へ、できるだけ移行できるような取り組みに協力することが保全の強化に繋がり、市民へのアピールや理解など、同所としても積極的に協力することが必要だとした。
この他、同所が運営している“おたる de テイクアウト”は、コロナ禍で頑張っている市内飲食店を応援するため、テイクアウトや宅配をしている店舗を紹介するHPを立ち上げ、現在100店舗が登録し、掲載希望店も募集している。
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