小樽市消防本部は、4月1日から運用を開始する、多言語音声翻訳アプリ「救急ボイストラ」を使った訓練を、3月29日(月)10:00から、小樽市教育委員会の協力を得て、同会(花園5)3階第3会議室で実施した。
外国語指導助手(ALT)3名が外国人要救助者役となり、救急隊4名と見学の救急隊4名が参加。
今回、救急隊員が外国人に対して、音声と画面の文字により、救急現場で円滑なコミュニケーションを図ることができるよう、タフブック5台を導入。音声により聴覚障がい者への対応も可能となる。
救急現場で使用頻度が高い会話“治療中の病気はありますか?”、“病院へ行く準備をしましょう”など、46の定型文が登録され、英語・中国語・タイ語など15言語に対応。定型文なしでもアラビア語など15言語に対応している。
2021(令和3)年1月1日現在で、救急ボイストラの普及状況は、全国726箇所の消防署で普及率86.9%。道内では、58箇所の消防署のうち53箇所で、普及率91.4%。小樽は54箇所目となり、運用開始は遅いほうだった。
訓練では、消防隊員2名が1組となり、胸の痛みを訴えた英語が話せる外国人女性を想定して行われた。
隊員がタフブックに向かい、どのくらい前から痛いのかと話すと英語に訳して音声が流れる仕組み。心電図や血圧を計り、心筋梗塞の疑いがあり小樽市立病院へ搬送するまでの会話を、同アプリを通じて行った。
次に、20歳代外国人男性が屋外で転倒し負傷した想定で行われた。後頭部3cmの裂傷が見つかり、麻痺の確認をするために腕を握ったり、つま先に触れたりして同機器を使って対話した。
消防本部では、「通訳が必要な場面がこれまでにもあった。導入により分からない状況が、より確実に情報を得ることができる」と話した。