新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、第23回小樽雪あかりの路が中止余儀なくされ、関連するイベントも次々と中止になったが、人前結婚式・Eternal Snow Weddingが、「コロナに負けない未来を」をテーマとして、2月28日(日)に実施された。
前回22回目の同イベントでは模擬結婚式を実施し、今年はウエディング企画として実施するはずだった。
今回は結婚式を予定していたが、コロナ禍でイベントの中止となる中、式を断念したカップルを募集し、無料ウエディングを実施しようと企画を変更。
10組の応募があり選考した結果、札幌在住の船渡川翔太さん(26)と佐藤愛菜さん(28)のカップルに決定。2人は小樽出身で、昨年コロナ禍のため、2度の挙式の計画を諦めざるを得ない状況で、気持ちも前向きになれない中、今回の企画を知り応募したという。
雪あかりの路は、小さい頃から家族で出かけた思い出のイベント。生まれた町小樽で挙式することができたら、とても心に残るだろうとの思いが応募のきっかけだった。
小樽芸術村の旧高橋倉庫ステンドグラス美術館を会場に、スタジオフォトス(濱田剛代表)が進行役を務め、MCは藤原夕子さん、浅原富希子さんのソプラノで、亀岡三典さんのギターと長谷川加奈さんのバイオリンの生演奏が流れる中、新婦の両親と友人ら10名に見守られ、人前結婚式が執り行われた。
参列者の拍手が響き、新郎新婦が登場。西條文雪実行委員長立会いの下、誓いの言葉と指輪の交換後、愛を誓う結婚契約書にサイン。
新郎新婦が人力車で浅草橋街園に向かうと、同実行委員会メンバーが準備したワックスボウルやスノーキャンドルなど100個の灯りが出迎え、たまたま訪れた人々も加わり祝福の輪が広がった。
人力車を降りた新郎新婦はロウソクに火を灯すと、会場は幻想的な光景に包まれた。子どもの頃、家族で訪れた雪あかりの路が蘇り、心に残る日となった。
愛菜さんは、「ようやくこの姿を、両親や友人に見せることができ、幸せです」と喜び、三典さんは「幸せです」と満足していた。
近藤修弘検討委員長は、「コロナ禍で結婚式ができなかった2人が、雪あかりの力で、晴れて式を挙げられたことはすごく良かった。コロナに負けない未来を願い、来年に繋げることができたと思う」と話した。
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